賃貸物件の内装で付加価値を生むには?リフォームの考え方を解説

近年では、空室対策としてリフォームに力を入れる物件が増えています。しかし、「内装にお金をかけたのに、思ったほど反響が出ない」という声も少なくありません。

結論から言うと、賃貸物件の内装は「工夫すれば必ず付加価値が出る」ものではありません。その背景には、「内装リフォーム=差別化できる」という考え方が先行しすぎていることがあります。

本稿では、賃貸物件の内装で失敗しないためのポイントをお伝えします。また、付加価値とは何なのか、どう考えれば良いのかを分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

なぜ、賃貸物件は「内装」で失敗しやすいのか

賃貸物件の内装は、空室対策の切り札のように語られることが多い分、判断を誤りやすいポイントでもあります。

ここでは、賃貸の内装リフォームで失敗するのを避けるために覚えておきたい視点を2つご紹介します。

内装は「差別化策」として過大評価されがち

賃貸物件では、内装に力を入れる物件が増えた結果、内装だけで大きな差別化を図るのは以前ほど簡単ではなくなっています。

また、「内装で差別化できれば入居者が決まる」とも限りません。入居者は立地や家賃、間取り、周辺環境も見たうえで、「この物件なら問題なさそうか」を総合的に判断しています。

そのため、内装を豪華にしても、他の条件が合わなければ、多くの場合は決め手になりにくいと言えます。内装が効く場面はありますが、万能策ではないのです。

まずは「内装だけで差別化しようとしていないか」を冷静にチェックしてみましょう。

市場背景やネット検索の普及が、判断を難しくしている

情報が多すぎることも、判断を難しくしている要因です。

ネットで調べると「この内装が人気」「このスタイルが正解」といった情報が次々に出てきます。しかし、その多くはエリアや物件条件が異なる事例で、自分の物件に当てはまるとは限りません

また、成功例ばかりが目立ち、失敗例が見えにくい点も判断を難しくしています。結果として、流行や他物件のマネをして「思ったほど効果が出なかった」となりがちです。

他者の事例を見るときは、「自分の物件にも当てはまるか?」という視点を持つことが重要です。

賃貸における「内装の付加価値」とは

賃貸における「内装の付加価値」とは

ここまで、内装リフォームは差別化の一環として位置づけるべきであり、物件条件に合った内容を選ぶことが重要だと説明してきました。

では、「内装の付加価値」とは何でしょうか?「付加価値」は賃貸物件のリフォームでよく使われる言葉ですが、その意味はわりと曖昧に捉えられています。

ここではまず、内装の付加価値とは何かを整理し、そのうえで入居者の視点から見た「価値」について考えていきます。

内装の付加価値とは単純な「豪華さ」ではない

賃貸物件における付加価値とは、高級な大理石を使うような「豪華さ」ではありません。

床材を無垢にしたり、デザイン性の高い輸入クロスを貼ったりすれば、一見「価値が上がった」ように感じます。しかし、それで家賃が大幅に上がるのは考えものです。

入居者は「オシャレ」だけでなく「コストパフォーマンス」も求めています。家賃負担が増すくらいなら、比較的低価格のライティングレールを設置するほうが付加価値として有効な場合もあります。

また、付加価値は人によって変わるものです。そのため「どんな人に住んでほしいか」を抜きに語ることはできません。

入居者にとって「選ぶ理由」になっているかどうかが大切

内装の付加価値を見定める際、その内装が他の物件を差し置いて「ここに決める!」という決め手になっているかが重要です。

たとえば、周辺の似た物件がすべて「白い壁」なら、一部にグレーのアクセントクロスを貼るだけで入居者の記憶に強く残ります。

この「いい意味で記憶に残る」ことこそが付加価値であり、他物件との比較検討において選ばれる要因になります。一方、説明しないと良さが伝わらない内装は、選ぶ理由になりにくいでしょう。

「この内装は入居者にとって選択理由になるか」「詳しく説明しなくても価値が伝わるか」を基準に判断することが大切です。

内装に付加価値が生まれやすい物件・生まれにくい物件

内装に付加価値が生まれやすい物件・生まれにくい物件

じつは、内装の付加価値はどの物件でも同じように生み出せるわけではありません。

物件の条件によって、内装にお金をかけた分がきちんと評価される場合もあれば、ほとんど効果が出ない場合もあります。

ここでは、内装の工夫が生きやすい物件と、そうでない物件の違いを整理しておきましょう。

内装にお金をかけても回収しにくいケース

立地そのものに強い魅力がある物件や、競合がほとんど存在しないエリアでは、内装への投資効果は相対的に薄れがちです。

たとえば、駅近で需要が安定している人気物件の場合、内装に凝らなくても成約につながるでしょう。内装のグレードアップ分を家賃に上乗せすると、むしろ割高感を与えてしまう恐れがあります。

このような物件では過剰な内装投資は避け、清潔感の維持や必要な設備更新に努めるほうが、費用対効果を大きくできるケースが少なくありません。

内装の付加価値が機能しやすいケース

一方で「平均的な立地」や「競合過剰」なエリアで、家賃帯や物件条件が近い場合は、内装の効果が高まりやすくなります。

なぜなら、立地や家賃が横並びの中では、入居者は「見た目の印象」や「住み心地のイメージ」で物件を選ぶ傾向が強まるからです。

たとえば、駅徒歩15分で家賃7万円の物件が10件並ぶようなエリアなら、デザイン性の高い内装や便利な設備を備えた物件が早期成約につながるでしょう。

まずは、自分の物件周辺の競合状況をリサーチしてみてください。横並び感が強いようなら、内装投資を積極的に検討してみると良いでしょう。

「何をやるか」より先に決めるべきポイント

「何をやるか」より先に決めるべきポイント

いざ「内装をリフォームしよう」と決めたとき、何から手を付ければいいでしょうか?

内装の具体的なアイデアを考える前に、必ず整理しておきたいポイントがあります。それは、「誰に向けた物件なのか」と「どの内装を向上すべきか」という前提条件です。

この前提が曖昧なままでは、「内装にお金をかけたのに効果が出ない」というリスクが高まってしまいます。

誰に住んでほしいのか(ターゲットの明確化)

内装は、ターゲットとなる入居者像が決まっていないと付加価値が生まれにくくなります。

なぜなら、入居者の年齢や家族構成、暮らし方によって、重視するポイントが大きく異なるからです。たとえば、単身者とファミリーでは、内装に求めるものが違います。

ターゲットを決めずに内装を整えてしまうと、誰にとっても無難な仕上がりになり、結果として選ばれにくい物件になってしまいます。

逆に、想定する入居者像が明確であれば、内装の方向性も自然と絞り込めます。まずは「この物件には、どんな人に住んでほしいか」を言葉にして整理してみてください。

必須内装と付加価値内装(分けて考える)

「必須の内装」と「付加価値になる内装」を分けることも大切です。内装をグレードアップしても、そのすべてが付加価値として認識されるわけではありません。

賃貸物件には、入居者が「あって当たり前」と感じる必須内装があります。たとえば、クロスの清潔感や床材の耐久性・防音性などは評価されにくい反面、欠けると大きなマイナスになります。

一方で、入居者から「価値がある」と認められるような内装の工夫は「選ばれる理由」になるでしょう。たとえば在宅ワークに対応した造作家具などは、競合物件との差別化ポイントとして有効です。

内装を検討するときは、「これは必須か、それとも付加価値か」を分けて考えることが大切です。

内装で付加価値を出したい場合に有効なリフォーム案

内装で付加価値を出したい場合に有効なリフォーム案

つづいて、どのようなリフォームが今の市場で注目されているのかを見ていきましょう。

ただし、どれも「やれば必ず効果が出る」ものではなく、物件条件やターゲットによって向き・不向きがあります。そのため、「3C分析」のような市場調査が欠かせません。

さらに、リフォームプランは「オーナー・管理会社・リフォーム会社」の三者で協力しながら検討することをおすすめします。

トレンドのインテリアスタイルを取り入れる(写真・内見対策)

時代に合ったインテリアスタイルを取り入れ、不動産ポータルサイトの写真を工夫することで、反響を高められます。

ただし、「誰に向けた物件か」を明確にしたうえで取り入れることがポイントです。ターゲット層が好む世界観を、内装でつくり込んでみてください。

いくつか例をご紹介します。

▼男子学生向け

コンクリート調の壁紙や黒いレール照明を使うような、少し無骨で「かっこいい」スタイルが人気です。

ただし過度な装飾性は不要で、清潔感が最優先です。

▼働く女性向け

淡いベージュやグレージュの壁紙、柔らかい間接照明を使い、リラックスできる「癒やしの空間」が好まれる傾向があります。

見た目だけでなく、「安心して住めそうか」という印象を与えることも重要です。

▼30代ファミリー向け

北欧モダンや和モダンのような、タイムレスで温かみのある内装が評価されやすいです。

お掃除のしやすさや汚れの目立ちにくさも、重要な判断基準になります。

ターゲットのライフスタイルに適応する

ターゲットの暮らし方に合った内装は、付加価値として伝わりやすくなります。

入居者は、「この部屋で自分の生活が成り立つか」をイメージしながら物件を選びます。そのため、ライフスタイルに寄り添った内装は、選ぶ理由になりやすいのです。

こちらも、いくつか例をあげます。「住む人の1日」を想像し、どこに不便を感じそうか考え、それを解消するリフォームを検討してみてください。

▼テレワークへの対応

壁面にデスクカウンターを設置したり、コンセントを増設したり、書類の収納棚を設けたりしておくと、在宅勤務日のあるビジネスマンや学生に響きやすくなります。

テレワーク環境が整っていることは、「仕事と生活の両立がしやすい部屋」という印象を与え、入居の決め手になりやすいポイントです。

▼ペット共生

ペットとの暮らしを前提にした設備は、「ペット可だけど設備は普通」という物件との差別化になるでしょう。

たとえば、傷に強く滑りにくい床材や消臭機能付きのクロス、ペット用のくぐり戸などはペット可物件を探す層に響きます。

管理規約や地域の需要条件が合えば、家賃を下げずに成約率を高められる可能性があるでしょう。

▼省エネ(ZEH-M水準の考え方を参考にした設備改善など)

断熱性の高い窓への変更やLED照明の標準装備は、光熱費を気にする入居者への強いアピールになります。

とくに単身者や若年層は毎月の固定費に敏感なため、「光熱費が抑えられる」という訴求は、家賃が多少高くても選ばれる理由になります。

セットアップ(内装工事・家具設置完了済み)需要を取り込む

家具や家電を最初から配置した「セットアップ物件」は、入居のハードルを大きく下げます。

とくに法人契約や、引越し費用を抑えたい若年層にとって、自分で家具を買う手間が省けるのは大きなメリットです。また、家具があることで、内見時に生活感が分かりやすくなる効果もあります。

空室が長引いているなら、モデルルームのように家具や家電を置き、そのまま貸し出すことを検討してみてください。

ここまでにご紹介した内装リフォームは、計画を誤ると回収が難しくなる点に注意が必要です。エリア特性やターゲットを慎重に見極めたうえで、専門家と相談しながら検討するのがおすすめです。

内装投資の費用対効果はどう考えるべきか

内装投資の費用対効果はどう考えるべきか

内装リフォームを検討するとき、多くの方にとって気になるのが「結局、元が取れるの?」ではないでしょうか。

ここでは、内装投資を評価するときに押さえておきたい考え方を整理します。

成約率向上・募集期間短縮・説明しやすさという視点が大切

内装投資の効果は、家賃アップだけでなく「決まりやすさ」で見ることが重要です。

内装を整えても、必ず家賃を上げられるとは限りません。一方で、内装が分かりやすくなることで、内見後の成約率が上がったり、募集期間が短くなったりするケースは多くあります。

また、仲介担当者や管理会社が「この物件の良さ」を説明しやすくなる点も、見逃せない効果です。説明しやすい内装は、結果的に紹介されやすくなり、成約につながる可能性が高まります。

ターゲットの目に留まりやすい部分に予算を集中

内装投資は、すべてを均等に改善するより、入居者の目に留まりやすい部分に集中させたほうが効果的です。

物件の第一印象は、物件写真や、内見時に玄関に立ったときの雰囲気で決まります。そのため、室内全体を少しずつ変えるより、第一印象をつくり込んだほうが評価されやすくなります

たとえば、写真映えする部分に予算を集中することで、少ない投資でも結果が向上する可能性が高まります。

玄関のような「最初と最後に見られる場所」を改善するのも、内見の印象を効率よく引き上げるのに有効です。

家賃アップより「空室期間短縮」で回収

内装投資は、家賃アップよりも空室期間の短縮で回収する考え方が現実的な場合があります。

家賃を上げる場合は、周辺相場や物件条件とのバランスを考慮しなければなりません。ならば無理に家賃を上げるよりも、早く次の入居者が決まるほうが、結果的に収支が安定する場合もあります。

空室期間が短くなれば、その分の機会損失を抑えられるでしょう。この効果を含めて考えることで、内装投資の見え方が変わってきます。

内装投資を検討する際は、「どれだけ家賃を上げられるか」だけでなく、「どれだけ早く決められるか」という視点も含めて、総合的に考えることが大切です。

大家さま、管理会社さまにご提案!初期費用0円リノベで空室対策しませんか?

「また空室が出てしまった……。でもリフォームするお金もないし、どうしたらいいんだろう?」そんな悩みを抱えていませんか?⸺ そんな大家さま、管理会社さまにご提案があります。

弊社の「Re部屋」なら、初期費用0円でリノベーションを実施し、物件の価値を回復させることが可能です。さらに、サブリースプランを活用すれば、空室リスクも心配しなくて済むようになります。

物件の資産価値を守りながら、安定した賃貸収入を得ませんか?REPAIR(リペア)まで、お気軽にお問い合わせください。

関連記事

賃貸住宅をもっとオシャレに!インテリアコーディネートのコツを紹介
リノベーションに取り入れたいモダン系インテリアスタイル4選
ブルックリンスタイルとは?インテリアの特徴や要素を解説
西海岸風インテリアスタイルとは?リフォームデザインに取り入れるコツ
アジアンテイストのお部屋の作り方|リフォームのポイントを解説
韓国風インテリアとは?おしゃれで韓国っぽいお部屋の作り方
グレージュとは?特徴とインテリアコーディネートのポイントを解説
インテリアの定番!北欧スタイルを賃貸物件で実現するコツ
ホテルライク・インテリアとは?賃貸物件をホテルライクにするコツ
カフェ風インテリアとは?賃貸住宅で実現するための3つのポイント
レトロなインテリアの作り方|ノスタルジックな昭和空間にするには?
北欧×和でインテリアを差別化!賃貸物件をジャパンディ化するコツ