「築15年を超えて、空室が埋まりにくくなってきた」「ただ原状回復するだけでは、もはや戦えない」そんな葛藤を抱える賃貸オーナーに注目されているのが、アジアンテイストのリフォームです。
バリ風、タイ風、そして和モダンとのミックス ⸺ 優雅で落ち着きのあるちょっと非日常的な空間が、インテリア好きの単身者や、ワークスペースが欲しいリモートワーカーに好評です。
本稿では、アジアンテイストのお部屋にするためのポイントをご紹介します。競合が多い「モダン系インテリア」を避けて差別化したいオーナー必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
アジアンテイストとは

「アジアンテイスト」は「アジア風の」という意味です。インテリアの文脈では、「東南アジアの異国情緒あふれる雰囲気」を取り入れたエキゾチックなスタイルを指します。
アジアンテイストの魅力
アジアンテイストは、主に東南アジアのリゾート地にあるホテルやスパの雰囲気を模したインテリアスタイルです。
たとえば、バリ島(インドネシア)やプーケット (タイ)、セブ島(フィリピン)などの自然豊かなリゾート地のヴィラをイメージしてみてください。
そのような空間の雰囲気を、都市生活者向けに再解釈して、インテリアコンセプトとして取り入れたものが「アジアンテイスト」です。
そんなアジアンテイストには、「バカンス中のようなリラックスできる空気感」や「リゾートのような優雅で開放的な雰囲気」といった魅力があります。
アジアンテイストは日本の住宅にもなじみやすい
東南アジアのインテリアには、植民地時代に故国から受けた影響もあり、日本のインテリアと違ったオリエンタルな雰囲気があります。
一方、夏を涼しく感じさせる工夫や自然素材を多用するところなど、日本のインテリアと共通点も多くあります。
そのためアジアンテイストは、取り入れ方しだいで日本の住宅や生活様式にもなじんでくれます。和室と融合させることも可能ですよ。
そんな柔軟性も、アジアンテイストの魅力と言えるかもしれません。
コーディネートのポイント

つづいて、アジアンテイストのお部屋にする際の「コーディネートのポイント」をご紹介します。リフォームの参考にしてください。
素材選び
アジアンテイストのインテリアでは、内装や家具、小物などに自然素材を多く用います。
木材以外にも、以下のような特徴的な天然素材を使います。
- 麻
- ラタン(籐)
- バンブー(竹)
- ウォーターヒヤシンス
これらの素材は、自然の温もりだけでなく《涼しげな雰囲気》や《オリエンタルな素朴さ》を演出してくれます。
▼床材
素材は、高温多湿な気候の東南アジアをイメージして、素足で歩いて気持ちいい涼しげな素材を選ぶとよいでしょう。
ダークな色味のフローリングが定番で、ヘリンボーン張りが人気です。籐風や網代風のフロアタイル、あるいはテラコッタ調タイルもアジアンな雰囲気に合います。
▼壁・天井
明るいニュートラルカラー(無彩色、低彩色)でシンプルにまとめましょう。
クロス(壁紙)を使う場合は、オフホワイトなど自然な白で、できるだけ艶を抑えたマットな質感のものが合いやすいです。織物調などナチュラルな質感のクロスもなじみやすいでしょう。
一面だけ板張りにしたり、アジアン柄の壁紙をポイント使いしたりする事例も見られます。天井の一部に木の梁やシーリングファンを付けるなどの演出をすると、雰囲気が高まります。
カラーコーディネート
アジアンテイストの基本色は《アースカラー》です。自然を感じさせるベージュやブラウン、ブルー、グリーンでコーディネートすると、リゾートの落ち着きが出ます。
ブルーやグリーンは、差し色(アクセント)に活用するとよいでしょう。ビビッドな色やパステルカラーではなく、南国の海や樹木を連想するような深みのある中間色を採用してください。
たとえば、観葉植物やクッションなどの色で《部屋全体の5%以下の面積》に収めると、雑然とせず上品にまとまります。イエローやオレンジなど、太陽を思わせる色もよく合います。
照明
アジアンテイストの空間では、直射的な明るい照明よりも、リラックスできる間接照明を効果的に使いたいところです。
▼一室多灯にする
天井のシーリングライトひとつでお部屋を明るくすると、ムードが出ません。一室多灯で、光と影のコントラストを演出しましょう。
たとえば、コーブ照明やコーニス照明はリラックス空間に適しています。あるいは、ペンダントライトを多灯使いできるようにダクトレールがあると便利です。
フロアランプやテーブルランプなどが使えるように、適切な位置にコンセントを設けておくのもよいでしょう。
▼照明も「南国リゾート」を意識する
リゾートホテルでおなじみの《シーリングファン付き照明》も設置してみてはいかがでしょうか?一気に南国ムードが高まります。
バンブーやラタン、和紙といった自然素材のシェードを使ったランプもおすすめです。温かみのある穏やかな光を放ち、リラックスできる雰囲気をつくり出せるでしょう。
光の色(色温度)も大切です。白っぽい蛍光灯色は、クールで人工的な印象になってしまいます。温かみのある電球色が合うでしょう。
少し暗めのオレンジがかった明かりが揺れる空間は、それだけで《エキゾチックでくつろげるアジアンリゾートの雰囲気》を演出してくれます。
家具
家具は、できる限り天然素材で統一します。たとえば、以下のような素材で編まれた家具は、南国の雰囲気を高めてくれるでしょう。
- バンブー(竹)
- ラタン(籐)
- ホテイアオイ(ウォーターヒヤシンス)
家具の色は、濃いめがおすすめです。とくに《アンティーク調》や《ヴィンテージ風》の家具が相性抜群です。
逆に、金属やプラスチックが目立つ家具はできるだけ避けます。取手や脚部などの細部に至るまで自然素材にこだわるとよいでしょう。
ソファやテーブルなど主となる家具は、できるだけロータイプ(低いもの)を選ぶとよいでしょう。南国のゆったりした雰囲気とマッチし、リラックスできる空間づくりに一役買います。
重厚感が出すぎないシンプルなデザインでありながら、適度にアジアンな彫刻や装飾が施されたものを選ぶと、落ち着きの中にも個性が光ります。
ファブリック
窓周りの演出も、アジアンテイストでは重要です。
▼カーテン
厚手のドレープカーテンは、アジアンテイストにやや合わせにくいです。リネンやモスリンなど、透け感のあるシアーカーテンを用いて、柔らかな日差しを取り入れるとよいでしょう。
白やベージュのシンプルなカーテンを揺らめかせれば、南国の風を感じる爽やかな窓辺を演出できます。天然素材のものなら、よりアジアンスタイルらしいリラックス感を演出できます。
どうしても遮光したい場合は、ブラインドを活用する手があります。横型の木製ブラインドなら、モダンすぎず程よくリゾート感を保てるため、アジアンテイストにも合うでしょう。
▼ラグ
床に敷くラグやマットも、アジアンテイストでは重要な役割を果たします。ラグは部屋に取り入れやすいファブリック要素で、手っ取り早く南国ムードを高めたい場合におすすめです。
ポイントはずばり《涼しげな素材》を選ぶことです。毛足の長いふわふわのカーペットではなく、ラタンやジュート素材のラグ、サイザル麻やココナッツ繊維のマットがよく合います。
デザインは無地でもよいですが、ボタニカル柄があしらわれたラグを選ぶと一層雰囲気が高まります。平織りのキリム風ラグもマッチしますよ。
ただし、柄物は多用しすぎるとうるさくなるため、控えめな面積にとどめておくほうが無難です。
雑貨・観葉植物
小物類はアジアンテイストのスパイスです。ただし、置きすぎは禁物ですので、厳選したお気に入りのアイテムをポイントで飾りましょう。
▼雑貨
おすすめは、伝統工芸品や民族雑貨をさりげなく取り入れること。たとえば、バリ島の木彫りの像やベトナムの手編みのバスケット、インドの真鍮トレイなどがおすすめです。
インドネシアのバティック(ろうけつ染め布)をアートフレームにして壁に掛けたり、タイのシルク刺繍クッションをソファに置いたりするのもいいですね。エキゾチックな雰囲気が高まります。
装飾品は部屋の一角にまとめてディスプレイするか、空間にリズムを生むようバランスよく配置するとよいでしょう。
▼観葉植物
アジアンテイストの部屋にグリーン(観葉植物)は欠かせません。選ぶ植物は、ヨーロッパ風の花よりも南国原産の観葉植物がベストです。
たとえば、以下のような亜熱帯の植物はリゾート地でもよく見られ、アジアンなお部屋にぴったりです。
- ゴムノキ(バーガンディなど)
- ガジュマル
- モンステラ
- アレカヤシ
- シュロチク
- カポック(シェフレラ)
- ストレリチア(オーガスタ)
背の高いものをコーナーに置き、テーブルに小ぶりのものを配するなど、高低差を付けてレイアウトするとジャングル的な奥行きが生まれます。
植物の緑は目にも優しく、ブラウン基調のインテリアのアクセントカラーにもなるため、ぜひ積極的に取り入れたい要素です。
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