経年で古くなった賃貸物件は、競争力や入居率が落ちやすいですよね。あなたも「賃貸アパートの空室がなかなか埋まらない……」「どうすれば入居率を改善できるのだろう?」と悩んでいませんか?
入居率の低下は、適切な戦略と施策があれば改善可能です。インターネットやリフォームを活用したり内見を工夫したりすることで、アパートの魅力が高まり、入居率アップに結びつきやすくなります。
本稿では、賃貸アパートの入居率をアップするための3つの方法を紹介します。あなたもこれらの方法を試して入居率を改善し、長期的な経営安定につなげてみませんか?
目次
賃貸アパートの入居率をアップする方法
さっそく、賃貸アパートの入居率をアップする方法を3つご紹介します。
1.認知度アップのためにインターネットを活用する
もはや、集客においてインターネットは無視できません。なぜなら、昨今多くの方がスマホで情報を収集しているからです。お部屋探しも、スマホを使うのが主流になっています。
以下の調査資料によると、不動産情報を調べる際に「93.4%」の方がスマホを利用されています。
参考:不動産情報サイト事業者連絡協議会「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果(2023年10月27日)
どんなによい物件であっても、インターネットで露出しなければ見込顧客に発見してもらいづらい時代になりました。ですから、空室率改善において「スマホに最適化されたweb集客」が必須です。
あなたは、自社のホームページや不動産ポータルサイトに掲載している物件情報をスマホで見たことはありますか?こんな状態になっていたら、今すぐに改善しましょう。
- 文字が小さすぎる
- 文章がおかしなところで改行されている
- 表や写真が画面からはみ出していて見づらい
パソコンでは普通に見られるのに、スマホでは非常に見づらいホームページが少なくありません。致命的と言っても過言ではありませんので、すぐに手を打ってください。
▼お客さまは情報収集して、比較検討して、物件を決める
では、どのようにインターネットを活用すればいいのでしょうか?
一度、見込顧客の行動を想像してみましょう。大ざっぱに言うと、こんなふうに動いているのではないでしょうか?
- スマホで情報収集
- 比較検討
- 住むお部屋を決定
賃貸物件を探したい方は、お部屋を借りることに関する不安や疑問を持っていて、それを解消したいと考えています。ですから、まず情報を収集し始めます。
不安や疑問が解消したら、次は比較検討を始めます。物件探し(具体的にどんな物件があるのか調査)や内見(候補の物件に絞り込み現地確認)ですね。仲介会社の質も比較されるでしょう。
比較検討中に不安や疑問を感じたら、また情報を収集するかもしれません。そんな過程を経て、最後にもっとも都合に合う物件を選びます。
▼インターネットで接触するなら、情報収集と比較検討のタイミング
上述の流れの中で、あなたの物件が露出できるチャンスは以下のタイミングです。
- スマホで情報収集
- 比較検討
まず、情報収集段階の見込顧客に自社のコンテンツをたくさん見てもらうことが大切です。何度も目に触れることで単純接触効果(ザイアンス効果)が働き、認知や親近感、信頼などを醸成できます。
ただし、好感を持たれるような接触を心がける必要があります。嫌悪感を持たれるような接触をおこなうと、逆効果になります。ですから、売り込みは控え、良質な情報提供に徹してください。
見込顧客と情報収集の段階で接触するには、高い発信力や、見込顧客の課題解決に役立つコンテンツが必要です。公式サイトや他社メディアへの寄稿、SNS、メルマガなど、得意な方法を磨きましょう。
露出する際、会社名や物件名、あるいは執筆者を明記して認知してもらうことが重要です。名前を覚えてもらえたら、比較検討のタイミングで選んでもらいやすくなります。
インターネットの世界は、現実世界に比べて会社規模による優劣が薄れます。むしろ、認知の量で優劣が付きますので、個人経営者さまや中小の管理会社さまにとって差を埋めるチャンスがあります。
余談ですが、CMで会社のロゴや商品名などを何度も見せるようにしているのは、この単純接触効果を狙っています。
▼物件探し中の見込顧客には、写真が効く
物件探しを始めた見込顧客は、不動産ポータルサイトや不動産会社のホームページを閲覧します。このタイミングで効果的なのが、掲載している写真の点数です。
既出の調査結果によると、不動産会社を選ぶ時のポイントは「写真の点数が多い」がダントツでトップです。とくに「リビング、外観、水回り設備」の写真が求められています。
ここで見込顧客が見る写真が、あなたの物件の第一印象になります。ですから、その質が重要です。しっかりよいものを掲載して、図面や文章も魅力的なものにしておきたいところです。
そのお部屋での生活がイメージできるように、簡単なホームステージングを施してから撮影するのもありでしょう。興味を持ってもらえると、内見につながりやすくなります。
公式サイトは、内見予約までの動線をしっかり作り込んでおきましょう。見込顧客が訪問したページからどう遷移するのか、どこで内見予約してもらうのか、ちゃんと考えて設計しましょう。
2.成約率を上げるために内見対策を実施する
外観の印象が悪い建物は、内見や成約につながりにくいでしょう。第一印象が肝心で、外観で悪い印象を持たれると、いくら言葉で取り繕おうとも覆すのが難しくなります。
一方、以下の箇所に高級感・清潔感・利便性あるいは管理がゆき届いている様子が見られると、内見や成約までの距離が縮まります。
- 外装
- エントランス
- アプローチ
- 物件名を表示した館銘板
- ポスト
- インターホン
- 夜間のライティング
- 植栽
- ゴミ置き場
なお、先述のとおり、外観についてはインターネットに載っている写真から注目されています。ですから、見栄えのする写真を撮るためにも、外観を整えておく必要があるでしょう。
ちなみに、内見については不動産仲介会社の対応も、ものをいいます。既出の調査結果によると「不動産会社の対応について満足だったこと・不満だったこと」の上位は以下のようになっています。
不満だったこと |
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満足だったこと |
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接客応対の質を改善することも「成約の確率を上げる施策になる」と言えるでしょう。
3.ニーズを満たすためにリフォームを実施する
入居が決まらず空室のままになっているようなら、物件の外装や内装を一度見直してみる必要があるでしょう。潜在顧客が住みたいと思える外装や内装に改装してみてはいかがでしょうか。
先述のとおり、物件探しをされる方は「外観・リビング・水回り」の写真に注目しています。ここを重点的に改装することで、写真の見栄えがよくなり、内見予約数の増加も期待できるでしょう。
外観のリフォームについては、以下の記事でも詳しく解説しています。ご興味がある方は、あわせてご覧ください。
ニーズの高い設備を付けるのも有効です。とくに防犯につながる設備は注目度が高いので、積極的に導入されると、内見予約数のアップが期待できます。
専有部と共用部の人気設備をご紹介しておきましょう。
占有部 |
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共用部 |
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人気の設備については、以下の記事で詳しく紹介しています。ご興味がある方は、あわせてご覧ください。
》専有部分の人気設備ランキング
》共用部分の人気設備ランキング
共用部の改装や改修については、既存入居者の解約抑止効果も期待できます。
なぜ、空室が埋まらないのか
入居率をアップする方法を3つご紹介しました。どうでしょうか?あなたの物件に合う施策だったでしょうか?合わない物件もあるでしょう。
合わないとすると、それは「ご紹介した施策」と「あなたの物件の空室が埋まらない原因」がミスマッチしているからです。
施策によって確実に効果を生むには、まず原因を明確にすることが大切です。原因は何でしょうか?たとえば、こんなことでしょうか?
- ターゲットとする顧客が市場(商圏)にいないから
- 見込顧客に物件を認知してもらえていないから
- 物件が市場のニーズに合っていないから
- 競合物件より見劣りするから
たとえば、学生をターゲットにした場合で考えてみましょう。あなたの商圏に大学がなければ、あなたの物件に「需要」はありません。
大学があったとしても、学生にあなたの物件を知ってもらわなければ、内見予約が入ることはないでしょう。物件が学生のニーズに合わない場合も、同様です。
学生の目に触れ、ニーズに合っていたとしても、競合物件のほうがニーズを満たしていたら負けてしまいます。
参考:日本政策金融公庫「フレームワーク『3C』を用いて事業内容を整理してみよう!」
ですから、まず「市場 (商圏)、競合物件、自社物件」の状況をちゃんと把握して、分析したうえで適切な施策を打つ必要があるのです。
では、どんなことを分析していけばいいのでしょうか?―― たとえば、こんなことです。
市場(商圏) |
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競合物件 |
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自社物件 |
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「市場 (商圏)、競合物件、自社物件」は、お互い複雑に紐付きあっています。あなたの物件の「強み・弱み」は競合物件と比較することで決まり、「優位性」も競合物件との比較で決まります。
また、先述のとおり、市場においてニーズがなければ優位であっても意味がありません。それは、ただの自己満足です。
ですから、大切なポイントは以下のとおりです。
- ターゲットとなる顧客が商圏内にいること
- 見込顧客のニーズと物件の強みがマッチしていること
- 物件の強みが他社物件より優位であること
- 物件の優位性がちゃんと顧客に伝わっていること
もしも、上述の内どれかが欠けているなら、それを補強する打ち手こそ「効果的な施策」になるでしょう。
賃貸管理のご担当者さまのための、お悩み解決サービス
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