水回りの住宅設備と言えば、キッチン・お風呂・トイレ・洗面化粧台をあげる方が多いでしょう。他に、給湯器をあげる方がおられるかもしれませんね。
リフォームの際、洗面化粧台は、他の住設に比べて時間をかけずにサッと選ぶ方が多い印象です。しかし、洗面化粧台は来客も利用する可能性がありますから、ちゃんと選びたいところです。
本稿では、洗面化粧台の主要なメーカーの特徴と、選び方のポイントをご紹介します。本稿を参考に、あなたにぴったりの洗面化粧台を見つけてください。
目次
人気の洗面化粧台メーカー6社の特徴を比較
さっそく、人気の洗面化粧台メーカー6社の特徴をご紹介します。
「TOTO (トートー)」は水回り全般に強い
TOTOは水回り全般に強いメーカーで、設計者や施工店、エンドユーザーから好評を得ています。その理由は「機能性・耐久性・省エネ性・デザイン」などがバランスよく高いからでしょう。
さらに、きれい除菌水などの清潔機能や、収納キャビネットや化粧鏡の使いやすさも定評があります。水回りの住設なら、まずTOTO製品が有力な候補になるでしょう。
TOTOは、普及クラスから上級クラスまで、幅広く人気の洗面化粧台を輩出しています。とりわけ、中級価格帯ではTOTOの「オクターブ」や「サクア」が大健闘している印象です。
参考:TOTO
「LIXIL (リクシル)」はコスパとデザインがよい
LIXILの洗面化粧台はシンプルかつ洗練されたデザインと、コストパフォーマンスの高さが人気です。性能のバランスもよく「清掃性、快適性、エコ・省エネ、収納性」などが好評を得ています。
とくに、ハイクラスのルミシスが人気です。その理由は、流麗なデザインのボウルや繊細な表情のセラミックカウンター、バックパネルを彩るモザイクタイルなどにあります。
コスパとデザインの両面で優れた製品をお探しなら、LIXILが有力な選択肢になるでしょう。お値段以上の高級感と機能性を感じられる洗面化粧台がそろっています。
参考:LIXIL
「Panasonic (パナソニック)」は主婦目線の開発力に強み
パナソニックの洗面化粧台は、高い機能性とスタイリッシュなデザインを特長としています。主婦の声を取り入れた設計や開発が得意で、さまざまなところに工夫を感じます。
たとえば、水をはじく素材を使ったスゴピカカウンターは、サッと拭くだけできれいになります。水アカや汚れが固着しにくいので、掃除がラクになりますよ。
家電製品に対する気配りも充実していて、ヘアドライヤーやヘアアイロン、電動シェーバーや電動歯ブラシ、エステ機器などがしまいやすくなっています。さすが、家電メーカーですね。
参考:Panasonic
「Takara standard (タカラスタンダード)」はホーローが得意
タカラスタンダードは、ホーローに力を入れているメーカーです。ホーローは鋼板にガラス質を焼き付けて密着させた素材で、掃除のしやすさや耐久性に優れています。
キズや熱にも強く、洗剤による変色も発生しません。このため、日々のお手入れは水拭きのみでOKで、根強いファンが多い素材です。
ホ―ロ―の壁パネルやキャビネットはマグネットが使えるため、小物置きやタオルハンガーなどを自分好みにレイアウトできます。ホーローがお好きなら、タカラスタンダードがおすすめです。
「クリナップ」はステンレスが得意
クリナップは、日本で初めてシステムキッチンを開発した企業として知られています。そのシンプルで工業的なデザインは、多くのエンドユーザーから支持されています。
クリナップはステンレスを使った製品開発が得意で、一部の洗面化粧台のキャビネットの構造部品にステンレスを利用しています。
ステンレスは耐久性が高く、湿度や温度変化に強い素材です。防汚性も高く、カビやニオイが付きにくいため、長くきれいに使うことができます。
参考:クリナップ
「TOCLAS (トクラス)」は人造大理石が得意
トクラスはピアノで有名なヤマハのグループ会社で、鍵盤製造で培った技術を生かした人造大理石を得意としています。継ぎ目のないボウル一体型の天板は、美しさと手入れのしやすさが人気です。
ベッセルボウルとマルチカウンターを組み合わせる製品も人気で、高い耐久性とおしゃれな意匠が好評を得ています。割れにくさや、高い塗装技術による色味・質感が魅力的ですよ。
トクラスの洗面化粧台は、住宅をはじめ店舗やホテルなど、さまざまなシーンで使用されています。使い勝手のよさとデザイン性の高さから、おしゃれな洗面空間を演出したい方に支持されています。
参考:TOCLAS
洗面化粧台の選び方
つづいて、洗面化粧台の選び方のポイントをご紹介します。
洗面化粧台の種類
まずは、洗面化粧台の種類からご紹介しましょう。
既製品の洗面化粧台は、システムタイプとユニットタイプに大別できます。それぞれの特徴をご紹介しましょう。
▼システムタイプ
洗面化粧台は、おしゃれで機能的なものが多数販売されています。その中でも主流なのが「システムタイプ」と、後述する「ユニットタイプ」と呼ばれるものです。
システムタイプは、多様なパーツを自由に組み合わせて、自分好みの洗面化粧台にできます。たとえば、以下のパーツにはいくつかの選択肢が用意されていて、好みのものを選べます。
- カウンター
- キャビネットと扉
- 洗面ボウル
- 水栓金具
- 鏡
- 照明
システムタイプは多様なバリエーションを楽しめます。高級感があるため、おしゃれな空間を演出したい方におすすめです。ただし、ユニットタイプと比べると費用が高額になる傾向があります。
▼ユニットタイプ
ユニットタイプは「水栓金具、洗面ボウル、照明器具、収納キャビネット」などが一体となっています。各メーカーが複数のグレードを用意していますので、予算に応じて選択できます。
また、サイズも60cm、75cm、90cmなど、幅の異なるものが数種類用意されています。洗面化粧台を設置するスペースの間口の寸法に合わせて、選んでいただけます。
システムタイプほどではありませんが、ある程度はカスタマイズできます。「多少は自分好みにしたいけど、できるだけコストを抑えたい」とお考えの方には、ユニットタイプがおすすめです。
システム・ユニット洗面化粧台選びのポイント
システム・ユニット洗面化粧台をカスタマイズする際、どこに着目すればいいのでしょうか。―― 5つのポイントをご紹介しましょう。
▼鏡の種類
昨今の洗面化粧台は、鏡の背面に収納キャビネットを付けたものが主流です。化粧台のような三面鏡タイプが好まれますが、二面鏡や四面鏡、五面鏡もあります。
鏡の背面のキャビネットには歯ブラシや化粧品、理容用具などを収納できます。キャビネット内に充電用コンセントが付いているものもあります。
一方、一面鏡タイプ(継ぎ目のない大きな一枚鏡)は、内部収納がないものもあります。しかし、高級感がありますので、意匠性にこだわりたい方におすすめです。
▼ボウルの種類
ボウルの主な素材は「陶器、人工大理石、人造大理石、ホーロー」の4つです。
陶器 | なめらかでツヤのある質感が美しく、汚れ落ちがよい。キズや劣化に強く、耐久性に優れている。重いものを落とすと、割れる危険性がある。 |
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人工大理石 | 比較的安価なポリエステル樹脂系と、高価だが透明感があるアクリル樹脂系がある。割れにくい反面、細かいキズが付きやすい。着色や一体成形が容易で、カラーバリエーションやデザインが豊富。 |
人造大理石 | 人工大理石と同様の素材だが、無機物を混ぜていて高価。傷付きにくく、高い耐熱性がある。天然石のような深みのある表情が特徴で、自然から切り出した大理石のような美しい模様を付けられる。 |
ホーロー | 鋳物や鋼板の表面をガラス質でコーティングした材料。重厚感があり、美しい。熱やキズに強く、汚れやニオイが付きにくい。ポットや食器などにも広く用いられている。弱点は、重さと価格。 |
ボウルには、主に3つの設置方法(洗面台一体型・埋め込み型・ベッセル型)があります。
洗面台一体型 | 洗面台の天板に継ぎ目なく埋め込まれているタイプ |
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埋め込み型 | 洗面台の天板に埋め込まれていて、継ぎ目があるタイプ |
ベッセル型 | 天板の上に置くタイプで、優れたデザインのものが多い |
洗面化粧台において、ボウルは重要な役割を果たします。デザイン性だけでなく、用途にも着目して適した形状のものを選びたいところです。
毎日の洗顔や歯みがきだけなら、デザイン重視でもいいでしょう。洗濯物のつけ置きやシャンプーをするなら、大きめのボウルをおすすめします。
▼水栓の種類
水栓金具の種類は「ツーハンドル水栓」と「シングルレバー混合栓」に大別できます。
ツーハンドル水栓 | お湯側と水側でハンドルが分かれていて、レトロ調やクラシック調の洗面台によく合う。お湯の温度は給湯器で調整可能。 |
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シングルレバー混合栓 | ひとつだけハンドルレバーがある、シンプルなデザイン。レバーを上下に動かすと水量を、左右に動かすと水温を調節できる。 |
近年、便利なシングルレバー混合栓が主流になっていますが、この水栓は意図せずお湯を使ってしまう短所があります。気になる方は、これを防ぐ「エコレバータイプ」をご選択ください。
なお、水栓には「シャワー水栓」や「自動水栓」などの機能が付加されたものがあります。
シャワー水栓 | 吐水口に、ホースを伸ばして使えるハンドシャワーが付いたタイプ。 |
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自動水栓 | 手を差し出すだけでセンサーが感知し、自動で水を出せるタイプ。 |
水栓の取り付け位置も、2通りあります。見ためや掃除のしやすさに影響しますので、ご自分にあったものをご選択ください。
立水栓タイプ | カウンターから立ち上げるように取り付けられた水栓。従来の洗面台に多かったスタイル。水栓の根元に水が溜まり汚れやすい。 |
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壁付き水栓タイプ | カウンター奥の立ち上がり壁から突き出るように取り付けられた水栓。水アカが付きにくく、お掃除がラク。洗面ボウルを大きくできる。 |
水栓金具はボウルとの相性を考えて選択する必要があります。相性が悪いと、水が飛び散ったり、洗顔のときに水栓に頭をぶつけたりします。
▼収納力
洗面化粧台は、家族だけでなく、ゲストに利用していただくこともあるでしょう。ですから、きれいな状態を維持しておきたいですよね。
しかし、収納スペースが不十分だと、ものが散乱してしまい生活感が出てしまいます。ですから、洗面化粧台を選ぶ前に、収納したいものの量や形状をしっかり把握しておく必要があります。
洗面化粧台の収納は、三面鏡裏やカウンター下に設けるのが一般的です。カウンター下の収納は、引き出し式のキャビネットが主流ですが、扉式のほうが使いやすい方もおられます。
引き出し式 | 大小複数の引き出しで構成されている。全体を見渡すことができ、奥のものを取り出しやすい。 |
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扉式 | バケツや大型の洗剤など、大きなものや背の高いものを収納しておくのに便利。 |
洗面化粧台を置く部屋のスペースに余裕があれば、オプションでウォールキャビネットやトールキャビネットを設置して、収納力を強化することもできます。
▼照明
洗面化粧台を選ぶうえで、照明の選択も重要です。適切な照明を選ぶことで、洗面化粧台を利用する際の快適度が変わります。
近年は、節電や調色ができるLEDライトが主流となっています。とくに、鏡の上下や左右に配置するラインLED照明が人気です。顔に影ができにくいため、メイクやシェービングに適しています。
リフォームで人気の洗面化粧台メーカーランキング(2023年版)
リフォームでは、どこの洗面化粧台が人気なのでしょうか。
リフォーム産業新聞が「【2023年版】プロ315名がおすすめする人気洗面化粧台ランキン」を発表していますので、ご紹介しておきましょう。
高級価格帯ランキング
高級価格帯の洗面化粧台は、以下のようなランキングになっています。
- LIXIL「LUMISIS (ルミシス)」
- TOTO「ESCUA (エスクア・エスクアLS)」
- Panasonic「Lクラス ドレッシングラシス」
ルミシスは、洗面化粧台部門でもっともポイントが高い商品で、5年連続で首位を獲得しているそうです。
人気の理由は、高級感のあるデザインとカスタマイズ性の高さにあります。ボウルやカウンター、鏡や収納の扉などを好きに組み合わせ、ホテルのような高級感のある洗面化粧台にできます。
中級価格帯ランキング
中級価格帯の洗面化粧台は、以下のようなランキングになっています。
- TOTO「OCTAVE (オクターブ・オクターブスリム)」
- LIXIL「L.C. (エル・シー)」
- TOTO「SAQUA (サクア)」
オクターブは、TOTOの十八番(おはこ)である「タッチレス水栓」や「きれい除菌水」が使えます。デザインや使い勝手だけでなく、お手入れもラクにしたい方に人気です。
オクターブは、カウンターの長さを調整することで、お部屋のサイズにぴったりと合わせられます。リフォームで使いやすい商品と言えるでしょう。
普及価格帯ランキング
普及価格帯の洗面化粧台は、以下のようなランキングになっています。
- LIXIL「oft (オフト)」
- Panasonic「C-Line (シーライン)」
- TOTO「Fシリーズ (エフシリーズ)」
オフトは、奥行500mmのコンパクトさがウリです。0.75坪の洗面脱衣室でも、入口のドアと干渉せず洗面室を広々と使えます。
高さは「1850mm・1800mm・1780mm」から選択可能です。ミラーも10mmピッチで高さを調整できますので、マンション等、梁の出っ張りがあるところにもすっきり納められます。
中古物件売却の元付け不動産会社さまに、ご提案
中古物件を売却する際、リフォームしてから売却活動をするほうが、そのまま売り出すより早く売れる場合がありますよね。
とは言え、最適なリフォームの形はご家庭ごとに違いますから、自分でリノベーションしたい買主さまもおられることでしょう。「できるだけ費用をかけたくない」という売主さまもおられます。
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