ユニットバスは、製品やサイズ、オプションが豊富です。新築やリフォームでユニットバスを選ぶ際「ちゃんと間違いなく選べるかな……」と心配する気持ちになるかもしれません。
選択ミスで浴室に収まらないこともあり得えますので、不安を感じて当然です。でも、安心してください。ポイントさえ押さえて選択すれば、大きな失敗をすることはありません。
本稿では、ユニットバスメーカーの特徴比較や選び方のポイントをご紹介します。本稿の情報を参考に、ぜひ、何時間でも過ごせそうな理想のバスルームを実現してください。
目次
おすすめのお風呂・ユニットバスメーカー6社の特徴
新築やリフォームで利用されているユニットバスは、これからご紹介する6社の製品が多いでしょう。順番に、特徴をご紹介します。
「TOTO (トートー)」は水回り全般に強い
TOTOは水回りに強く、ユニットバスの工法を考案したメーカーとして知られています。同社のユニットバスは堅実でクオリティが高く、技術力を生かした機能が充実しています。
たとえば「ほっカラリ床」は、よくあるお風呂の悩み(寒い、掃除が大変)を軽減してくれます。素材が畳のように柔らかく、体への負担も少ないです。色やテクスチャーも、好評ですよ。
このような機能性やデザイン性が高く、耐久性にも優れたTOTOのユニットバスは『日経クロステック 採用したい建材・設備メーカーランキング2022』でシステムバス部門1位に選ばれています。
参考:TOTO
「LIXIL (リクシル)」はコスパと性能のバランスがよい
LIXILのユニットバスはシンプルかつ洗練されたデザインが特徴で、性能のバランスも優れています。掃除のしやすさも好評で、清潔な状態を保ちやすくなっています。
内装も手抜きがありません。徹底的に「素材、色、仕上げ」にこだわっています。シャワーや吐水口から出るお湯の質を操る技術力にも定評があり、上質なバスタイムを提供してくれます。
コストパフォーマンスは、ユニットバスメーカーの中でも屈指の高さです。機能的なのに価格がリーズナブルであるため、多くのお施主さまや建築士、施工会社に支持されています。
参考:LIXIL
「Panasonic (パナソニック)」は主婦目線の開発力に強み
パナソニックは、女性の声を取り入れた設計が強みです。掃除がラクになる工夫やスタイリッシュで高い機能性を持つデザインなど、主婦目線の開発力にも定評があります。
家電メーカーならではの商品も豊富です。たとえば、ミクロの泡で体を温める「酸素美泡湯」でお肌をしっとりと保ち、浴槽底面から泡が吹き出す「リゾートバブル」で前身をポカポカにできます。
さらに、天井に照明器具を収めた「フラットパネルLED」で天窓気分を味わうこともできます。パナソニックは、心と身体をよりよく整えるために、こだわりのバスルームを提供しています。
参考:Panasonic
「Takara standard (タカラスタンダード)」は頑丈かつ機能的
タカラスタンダードと言えば「ホーロー」です。ホーローは鋼板にガラス質を焼き付けて密着させたもので、キズや熱に強く、キレイな状態が長続きします。耐久性はトップクラスでしょう。
ホーローの弱点は重いことで、それを支えるために強じんな架台が必要になります。しかし、タカラスタンダードはそれを逆手にとって、震度6の地震に耐えられるように設計しています。
タカラスタンダードのユニットバスは、間口や奥行きを2.5cm刻みでオーダーできます。浴室空間を無駄なく利用できますので、リフォームの現場で重宝されています。
「クリナップ」は保温性やインテリア性にこだわっている
クリナップは、日本で初めてシステムキッチンを開発したメーカーです。シンプルで工業的なデザインのキッチンが人気で、ユニットバスもデザインにこだわりを感じます。
たとえば、まるで腰壁のように、浴室の壁をツートーンで貼り分けられます。自分好みの色柄を組み合わせることで、居心地のよい浴室空間にできるでしょう。
あたたかさにも、こだわりを感じます。ボタンひとつで床にお湯のシャワーを散布する機能があり、入浴前に利用すると、寒い日でも凍えずに済みます。ヒートショック対策になるでしょう。
参考:クリナップ
「TOCLAS (トクラス)」は人造大理石が得意
トクラスは、ピアノで有名なヤマハのグループ会社です。ピアノの鍵盤製造技術を生かして、高品質な人造大理石の浴槽を提供しています。
トクラスの人造大理石浴槽は、一般的なFRPの浴槽と比べて熱や薬品に強いです。実際に20年以上使用した製品を調査した結果、美観を維持していて、その優れた耐久性が確認されています。
さらに、トクラスの人造大理石浴槽は、独特の透明感やなめらかな肌ざわりに定評があります。高いデザイン性とコストパフォーマンスが、トクラスの人気を支えています。
参考:TOCLAS
お風呂・ユニットバスの選び方
つづいて、ユニットバスの選び方をご紹介しましょう。
ユニットバス(システムバス)とは
お風呂には「ユニットバス」と「在来工法」の2種類があります。まずは、このふたつの特徴の違いからご説明します。
▼ユニットバス(システムバス)
近年の新築のお風呂は、ユニットバスが主流です。リフォームでも、在来浴室からユニットバスに替えることはあっても、ユニットバスから在来浴室に替えるケースはほとんどありません。
ユニットバスは、壁と床、浴槽などの部品がユニットになっています。工場でつくられた部材を現場で組み立てて設置しますので短工期、かつ施工技術の職人依存度が低く品質が安定しています。
また、浴槽を断熱材でくるんだり床材をヒヤッとしない素材にしたりできるため、在来浴室より断熱性能も上げやすいと言えます。
▼在来工法でつくるお風呂
かつての浴室は、壁や床にタイルを貼る「在来工法」が主流で、現場で職人が一からつくり上げていました。近年でも、数は減ったものの、根強い人気で生き残っています。
在来工法の浴室は、寸法や内装など、オーダーメードで自由に設計できます。タイルやヒノキ材などを使い、自分好みのこだわった空間にすることもできます。
一方、ユニットバスに比べるとコストや工期がかかり、防水性の確保が難しいというデメリットもあります。経年による水漏れや腐食に注意が必要です。カビを抑制するために、お手入れも必要です。
ユニットバスのサイズ
ユニットバスを選ぶ際は、まずサイズに注意しましょう。浴室より大きいユニットバスを選んでしまうと、空間内に収まりません。また、一般的にサイズが大きくなるほど高額になります。
ユニットバスのサイズは、面積の内法寸法を表わす独特の呼称があります。代表的なサイズの呼称をご紹介しておきましょう。
- 1216 (いちにいちろく):120cm×160cm (0.75坪タイプ)
- 1616 (いちろくいちろく):160cm×160cm (1坪タイプ)
- 1618 (いちろくいちはち):160cm×180cm (1.25坪タイプ)
- 1818 (いちはちいちはち):180cm×180cm (1.5坪タイプ)
ユニットバスは「戸建て用」と「マンション用」に分かれています。基本的には、戸建て用は戸建てに、マンション用はマンションに用いられています。
ちなみに、マンション用ユニットバスは戸建て用に比べて床下が浅く、階高も低くなっています。
浴槽の素材
ユニットバス選びでは、浴槽の素材も重要な検討事項です。よく使われている浴槽材の特徴をご紹介しましょう。
▼FRP
FRPは軽くて丈夫な樹脂素材で「ガラス繊維強化プラスチック」とも呼ばれます。浴槽の材料としてはもっとも広く流通していて、どこのメーカーでも取り扱いがあります。
FRPの浴槽は、肌ざわりがなめらかで、価格がリーズナブルです。さまざまな色や形状のものが出回っており、自分の好きなデザインの浴槽を探せるでしょう。
一方、FRPの浴槽は汚れがつきやすく、時間とともに色あせてしまいます。ただし、穴が開いたりクラックが発生したりしても、補修できます。
▼人工大理石
人工大理石とは、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂を主成分として、人工的につくられた大理石風の素材のことです。FRPと同様に、どこのメーカーでも取り扱いがあります。
- ポリエステル樹脂系:比較的安価
- アクリル樹脂系:高価だが、より透明感があって肌ざわりもなめらか
人工大理石は、衝撃性や耐熱性などに優れています。表面がとてもなめらかで汚れがつきにくく、お手入れがしやすいため、長いあいだ表面の美観を維持できます。
また、加工性がよいので、型さえあれば、どんな形の浴槽も簡単につくれます。着色性もよく、カラーバリエーションが豊富にラインナップされています。
一方、天然大理石や後述する人造大理石より柔らかいため、キズつきやすいところがウイークポイントです。
▼人造大理石
トクラス等のメーカーが「人造大理石」と表記している素材も、人工的につくられた大理石風の材料です。ただし、アクリル樹脂やポリエステル樹脂に無機物を混ぜています。
人造大理石は、まるで天然石のような深みのある表情が特徴的です。人造大理石の浴槽は、温かみのある肌ざわりで、しっとりと落ち着いた高級感があります。
人工大理石と比べてキズもつきにくく、細かいキズなら磨いてリニューアルできます。その代わり、人工大理石よりやや高価です。
▼ステンレス
ステンレスの浴槽は耐久性が高く、簡単にヒビ割れたり穴が開いたりしません。サビやキズにも強いので、表面の清潔感が保ちやすく衛生的です。
一方、金属特有の肌ざわりは、好き嫌いが分かれます。素材感の主張が強いので、浴室の雰囲気を柔らかく優雅にしたいという人には不向きな材料でしょう。
ステンレス浴槽は価格が安く、かつては大量に利用されていました。しかし、昨今ではタカラスタンダード等の一部のメーカーしか取り扱いがなく、採用数が減っています。
▼ホーロー
ホーローは、保温性の高さやカビの生えにくさなどが重宝され、ポットや食器などに広く用いられています。ホーローの浴槽は見た目が美しく、重厚感もあります。
一方、他の素材に比べてやや高価です。表面のガラス質が剥がれてサビが発生した場合は、補修できず、買い替えになります。材質自体が重く2階には設置できない場合があり、注意が必要です。
ホーロー浴槽も、タカラスタンダード等の一部のメーカーしか取り扱いがありません。
リフォームで人気のお風呂・ユニットバスメーカー
リフォームでは、どこのユニットバスが人気なのでしょうか。
リフォーム産業新聞が「【2023年版】プロ315名がおすすめする人気バスランキング」を発表していますので、ご紹介しておきましょう。
高級価格帯ランキング
高級価格帯のユニットバスは、以下のようなランキングになっています。
- TOTO「SYNLA (シンラ)」
- LIXIL「SPAGE (スパージュ)」
- Takara standard「PREDENCIA (プレデンシア)」
高級価格帯では、TOTOの至福のファーストクラス浴槽「シンラ」が圧倒的に人気です。2位の「スパージュ」を大きく引き離し、1位に輝きました。
シンラは、バスタイムや浴室空間を豊かにしてくれます。たとえば、肩口と腰付近に水流が流れる楽湯は、肩の冷えや腰の負担を減らしてくれます。
シンラは、ライティング性能も優れています。その日の気分に合わせて「リフレッシュ・リラックス・瞑想」などの調光・調色モードを選んでいただけます。
中級価格帯ランキング
中級価格帯のユニットバスは、以下のようなランキングになっています。
- TOTO「sazana (サザナ)」
- LIXIL「Lidea (リデア)」
- Takara standard「GRANSPA (グランスパ)」
中級価格帯では、TOTO「サザナ」が圧倒的に人気です。しかも、サザナは全価格帯でトップの得票数を獲得しています。TOTOの人気が、うかがい知れますね。
サザナが好評を得ている理由は、高級価格帯に迫るほど性能が高く機能が多いからでしょう。基本性能を徹底的に磨き上げ、押しも押されもしないTOTOの主力製品になっています。
エンドユーザーの認知度が高く、指名買いが多いところも、サザナの特徴と言えます。
普及価格帯ランキング
普及価格帯のユニットバスは、以下のようなランキングになっています。
- Panasonic「Oflora (オフローラ)」
- Takara standard「GRANSPA (グランスパ)」
- TOCLAS「every (エブリィ)」
タカラスタンダードの「グランスパ」は価格の幅が広いため、中級価格帯と普及価格帯の2部門でランクインしています。性能重視からコスパ重視まで、幅広いニーズに対応できる優れた商品です。
唯一、タカラスタンダードが3つの価格帯でランクインしている理由は、性能やコスパだけでなく、サイズの柔軟さにあるのではないでしょうか。
中古物件売却の元付け不動産会社さまに、ご提案
中古物件を売却する際、リフォームしてから売却活動をするほうが、そのまま売り出すより早く売れる場合がありますよね。
とは言え、最適なリフォームの形はご家庭ごとに違いますから、自分でリノベーションしたい買主さまもおられることでしょう。「できるだけ費用をかけたくない」という売主さまもおられます。
御社も「リフォームせずに、リフォームしたみたいな反響が得られたらなあ」とお悩みではないでしょうか。そんなときは、弊社のサービスをご利用ください。
無料で以下の資料をご提供します。
- 提案図面
- パース
- 概算見積もり
これらの資料を、内覧時等のタイミングで購入検討者さまにお渡しいただくと、改修工事による変化をご理解いただきやすくなります。反響や成約の獲得ツールとしてご利用ください。
おすすめの関連記事