「トイレメーカー」と聞いて、あなたはどこを思い浮かべますか?ほとんどの方が「TOTO、LIXIL (INAX)、パナソニック」のどれかを想像するのではないでしょうか。
実際、設計者や施工者を対象に人気投票を実施すると、ほぼ上述の3社とタカラスタンダードに票が集中します。ですから、トイレを選ぶ際は、まずこの主要4社の特徴を押さえておくことが大切です。
本稿では、各社の特徴やトイレの選び方、リフォームで人気の商品をご紹介します。トイレメーカー選びで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。自分にぴったりのメーカーが見つかりますよ。
目次
おすすめのトイレメーカー4社の特徴
それでは、さっそく主要なトイレメーカー4社の特徴をご紹介しましょう。
「TOTO (トートー)」は水回り全般に強い
TOTOは水回り全般に強く、高い開発力が強みのメーカーです。トイレも非常に優秀で、多くの設計者や施工者から支持を集めています。同社が開発したウォシュレットを知らない人は、少ないでしょう。
エアインワンダーウェーブ洗浄も、有名です。おしりを洗う水玉ひとつの形状にまでこだわり、少ない洗浄水で快適な洗い心地を実現しています。手放せないユーザーが多いそうですよ。
汚れにくさにも、こだわっています。いくつか、防汚機能をご紹介しましょう。
きれい除菌水 | トイレ使用後の便器や、ウォシュレットのノズルの内側や外側を自動で洗浄・除菌できる。 |
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トルネード洗浄 | 1~2箇所の吐水口から水平方向に勢いよく水を出し、渦を巻くようにグルグルと洗浄する。 |
セフィオンテクト | 衛生陶器の表面をナノレベルでなめらかに仕上げてあり、汚れがつきにくく、落ちやすい。 |
便座きれい | きれい除菌水のミストを、気流に乗せて便座裏の先端部分まで吹きかけ、汚れを軽減する。 |
なお、TOTOは日経クロステックの『採用したい建材・設備メーカーランキング』でトイレ部門1位の常連です。「機能性・耐久性・省エネ性・デザイン」が高く評価されています。
参考:TOTO
「LIXIL (リクシル)」はコスパと掃除のしやすさに定評あり
LIXILはコストパフォーマンスが強みで、TOTOと同様に多くの設計者や施工者から高い評価を得ています。LIXILのトレイはデザインがスッキリしており、どんなトイレ空間にも馴染みやすいでしょう。
たとえば、タンクレストイレの「サティスS」は、形状がシンプルで奥行も650mmしかありません。階段下のような狭いスペースであっても、サティスSなら手洗器をつけたトイレ空間をつくれます。
価格がリーズナブルでありながら、機能も優れています。清掃性や快適性、エコ・省エネ、収納などの性能は定評があります。
参考:LIXIL
「Panasonic (パナソニック)」は主婦目線の開発力に強み
パナソニックは、主婦目線の開発力が強みです。「ラクテク (ラクするテクノロジー)」をコンセプトに、使いやすさや掃除のしやすさを追及しています。
パナソニックのトイレは、高い機能性とスタイリッシュなデザインに定評があります。家電メーカーらしく、自動化できる機能も豊富です。いくつか例をご紹介しましょう。
- フタが自動で開閉する
- 自動で水が流れる
- 手洗いの水が自動で出て止まる
- 自動で壁についたニオイを脱臭する
上述の機能をフル装備すれば、あちこち触らずにトイレを済ませられるため、とても衛生的です。
また、パナソニックの便座は部材同士の隙間がほとんどなく、汚れが入り込みにくくなっています。便座と便器の隙間も漏れ出しにくい構造を採用しているため、衛生的かつ清潔に使用できます。
参考:Panasonic
「Takara standard (タカラスタンダード)」はホーローで長持ち
タカラスタンダードは、ホーロー(琺瑯)を使った製品開発が得意です。ホーローは金属板にガラス質の釉薬を焼きつけて密着させたもので、鍋や容器のほか、住宅では内装材に利用されています。
タカラスタンダードのトイレは、壁パネルにホーローを利用できます。ホーローは汚れやニオイが染み込まないため、非常に掃除しやすく、キレイな状態が長続きします。
ホーローパネルは、マグネット式のタオルかけやペーパーホルダーを好きな位置に貼りつけられます。小さいお子さまがいるご家庭では、成長に合わせてレイアウトを変えてあげられます。
トイレを選ぶときに注目すべき3つのポイント
トイレは、和式と洋式に大別できます。しかし近年、一般の家庭で和式トイレが新たに設置されることは、ほとんどありません。ですから、本稿では主に洋式トイレについて選び方を解説します。
洋式トイレでは「便器の種類、便座の種類」に着目してください。マンションのトイレリフォームでは「排水の種類」も確認しておく必要があります。それぞれ、詳しく解説しましょう。
便器の種類
便器は「タンク式」と「タンクレス式」に大別できます。タンク式には「組み合わせ型」と「一体型」があります。順番に、詳しくご紹介します。
組み合わせ型
組み合わせ式トイレとは、便器・タンク・便座がそれぞれ独立しているタンク式トイレのことです。メリットを3つあげてみましょう。
- 価格がリーズナブル
- 故障した部分だけ、取り替えられる
- 温水洗浄便座を取り外し、便座裏を掃除できる
一方、デメリットは以下のとおりです。
- 隙間や凹凸があり、汚れが入り込みやすい
- 連続で水を流せない(タンクに水がたまるまで流せない)
タンクは、手洗いつきタイプと手洗いなしタイプがあります。
手洗いつきタイプは、手洗いした水が直接タンクに入りますので、節水効果が期待できるでしょう。また、手洗器を別に設置する必要がないため、余分なスペースを取らずに済みます。
一体型
一体型トイレとは、タンクと温水洗浄便座が一体になっているタンク式トイレのことです。便器部分を「便器部」、タンクと温水洗浄便座部分を「機能部」と呼びます。
一体型トイレは、組み合わせ型と比べて機能的で、掃除しやすいところが特長です。メリットをご紹介しましょう。
- 便座と便器が一体で、見た目がよい
- 凹凸が少なく、掃除しやすい
一方、デメリットは以下のとおりです。
- 便座が故障した際、タンクごと交換する必要がある
- 連続で水を流せない(タンクに水がたまるまで流せない)
一体型トイレも、手洗いつきタイプと手洗いなしタイプがあります。
タンクレス
タンクレストイレとは、タンクがないトイレのことです。便器と温水洗浄便座が一体になっていて、お手入れしやすいです。水道直結式なので、連続で水を流せます。
タンクレストイレのメリットは、以下のとおりです。
- 意匠性が高く、シンプルなデザイン
- 節水や節電能力の優れた、エコな機種が多い
- タンクがない分小さく、狭いトイレ空間でも設置しやすい
一方、デメリットは以下のとおりです。
- 比較的価格が高い
- トイレ本体に手洗いをつけられない(別途、手洗器が必要)
- 便座が故障した際、タンクごと交換する必要がある
他の水回り設備もこだわって選定されている方には、タンクレストイレをおすすめします。初期コストは高くつきますが、節水・節電効果も勘案して、導入をご検討ください。
なお、タンクレストイレは、マンションの高層階等の水圧が低い場所には設置できないこともあります。停電時に水を流す際は、やや特殊な操作が必要です (操作方法は機種ごとに異なる)。
便座の種類
便座だけ交換されるケースもあるでしょう。便座は、便器サイズに合わせて選んでください。
便器は2種類あり、大きいタイプと普通のタイプがあります。どちらのタイプか調べたいときは、便座の取りつけ穴から便器本体の一番先の部分の長さで判定してください。
- 470mm ⇒ エロンゲートサイズ
- 440mm ⇒ レギュラーサイズ
便座は、その機能により「普通便座、暖房便座、温水洗浄便座」の3タイプに分けられます。それぞれ、詳しく説明しておきましょう。
普通便座 | その名のとおり、特別な機能を備えていない便座。よって、電気を使わずに利用できる。設置コストが低く、故障する心配も少ないところが特長。 |
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暖房便座 | 便座を温める機能を備えた便座。一般的な機種は便座温度の調節が可能で、夏でも冬でも、便座を快適な温度に保てる。ただし、常時電気代がかかる。 |
温水洗浄便座 | お尻を洗浄する機能、ビデ機能、暖房機能を備えた便座。洗浄に必要なお湯をつくりだめしておくタイプと、洗浄時に瞬間加熱するタイプがある。 |
便座は、価格と機能性がトレードオフの関係にあります。ご予算に合わせて選んでいただくとよいでしょう。
排水の種類
リフォームでトイレを交換される場合は、排水方式にも着目してください。排水方式は2タイプあり、床排水方式と壁排水方式に分けられます。
床排水 | 昨今、ほとんどのトイレが床排水タイプ。床に接続された排水管を通って、排水される。排水管は便器の下にあるため、目視で確認できない。 |
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壁排水 | 一部のマンションで使われている排水方式。便器のうしろ側から壁との間に太い排水管があり、目視で確認できる。この排水管を通って、排水される。 |
上述のとおり、とくにマンションは注意が必要です。トイレをリフォームされる際は、現在設置されている便器の排水方式と同じ方式の便器をお選びください。
リフォームで人気のトイレメーカー
リフォームでは、どこのトイレが人気なのでしょうか。
リフォーム産業新聞が「【2023年版】プロ315名がおすすめする人気トイレランキング」を発表していますので、ご紹介しておきましょう。
高級価格帯ランキング
高級価格帯のトイレは、以下のようなランキングになっています。
- TOTO「NEOREST (ネオレスト)」
- LIXIL「SATIS (サティス)」
- TOTO「レストパル」
TOTOのネオレストがダントツの人気で、2位に8倍以上の差をつけて1位に輝きました。トイレ部門全体で見ても、最高ポイントを獲得しているそうです。
人気の理由は、やはり高級感のあるデザインでしょう。機能面では清掃性や節水・節電能力が高く、ランニングコストを抑えられるところがウケています。
中級価格帯ランキング
中級価格帯のトイレは、以下のようなランキングになっています。
- TOTO「GG・GG-800」
- Panasonic「アラウーノ S160」
- LIXIL「リフォレ」
中級価格帯でも、TOTOが1位です。GGはロータンクタイプ、GG-800は手洗器がついています。どちらもシンプルなデザインや、防汚機能が好評です。
普及価格帯ランキング
普及価格帯のトイレは、以下のようなランキングになっています。
- TOTO「ピュアレストEX」
- LIXIL「アメージュ シャワートイレ」
- Panasonic「アラウーノV」
普及価格帯でも、TOTOが1位です。ピュアレストEXは、丸みのある手洗いがかわいく、デザインのアクセントになっています。トルネード洗浄やセフィオンテクトなどの機能がついています。
ご覧のとおり、リフォームで利用されているトイレは「TOTO・LIXIL・Panasonic」の3社が人気を分け合っています。とりわけ、TOTOの存在感が強いです。
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