春の入居シーズンを前に、学生が選ぶ人気設備は何かを把握しておきたい ⸺ そんなオーナーや管理会社の担当者が多いのではないでしょうか。
学生の住まい選びは、「立地」や「家賃」の金額だけでは決まりません。生活の快適性を左右する「設備」も重視されます。しかし、なくても決まる設備もあるため、選択が大切です。
本稿では、学生に選ばれる人気設備5選と、妥協されやすい設備3選をご紹介します。空室対策の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
目次
一人暮らしの学生向け必須設備5選
学生向けの賃貸では、「どんな設備があるか」が重視される傾向が強まっています。なかでも以下の5つは、さまざまな人気設備ランキングで上位にランクインしています。
- エアコン
- バス・トイレ別
- インターネット無料
- 室内洗濯機置場
- モニター付きインターホン
ここでは、これらの設備が学生に選ばれる理由をご紹介します。
エアコン

エアコンは、もはや必須インフラと言えます。近年発表されたさまざまなランキングでも、単身者向け・ファミリー向けを問わず、最上位に入っています。
このようにエアコンの人気が不動のものとなっているのは、猛暑が原因でしょう。近年では、熱中症対策の観点からも欠かせない存在です。
エアコンが備え付けられていれば、学生は初期負担を大きく減らせます。とくに省エネ性能の高い新しい機種は、光熱費の面でも魅力的に映るでしょう。
バス・トイレ別

「バス・トイレ別」は、学生の物件選びで重視される条件のひとつです。ユニットバスと違い、トイレの床が濡れず衛生的で、湿気やカビも抑えられます。
浴室に洗い場が確保されるため、入浴時の快適性も格段に向上します。友人が泊まりに来た際にも、お風呂とトイレを同時に使える利便性があります。
一方、かつて学生物件で主流だった「3点ユニットバス」は敬遠されがちです。とくに女性や、実家のバス・トイレが快適だった学生ほど「バス・トイレ別」を重視する傾向があります。
バス・トイレは、毎日の生活の快適性や衛生面に直結するため、入居者から厳しい目でチェックされます。可能な限りセパレートしたい設備です。
インターネット無料

「インターネット無料」は、学生に支持されている人気設備のひとつです。さまざまな賃貸設備ランキングでも常に上位を維持しているため、競争力を高めたい場合は欠かせません。
学生は「オンライン授業、課題提出、情報収集、動画視聴」など、日常の活動の多くがネット環境に依存しています。そのため、入居初日からすぐに使える利便性は大きな魅力となります。
通常5,000円前後かかる通信費を節約できる点も、生活費を抑えたい学生には大きなメリットです。契約や開通の手間も不要になるため、面倒ごとを避けたい学生の心をつかむ決め手となっています。
無料インターネットは、物件の付加価値を大きく向上し、学生の注目を集めることができる設備と言えるでしょう。
室内洗濯機置場

室内洗濯機置場も、一人暮らしの学生にとって利便性の高い設備です。まず、洗濯機を屋内に設置することで風雨や直射日光による劣化を防ぎ、洗濯機の寿命を延ばす効果があります。
さらに雨の日や夜間でも、外に出ずに洗濯できます。授業やアルバイトで忙しい学生にとって、時間と天候に左右されない利便性は非常に大きなメリットです。
築浅物件では標準装備となりつつありますが、築古物件では未設置のケースも少なくありません。リフォーム時には「優先度の高い改修項目」として検討すべきポイントです。
設置により生活満足度が向上し、家賃を数千円上乗せできる付加価値を生み出せます。
モニター付きインターホン

モニター付きインターホンは、とくに女性の学生を中心に「なくてはならない」防犯設備のひとつとして認識されています。
モニター付きインターホンがあれば、不審者や勧誘と対面しなくて済みます。録画機能付きタイプであれば、不在時の来訪者も確認でき、トラブル防止や安心感の向上につながります。
また、防犯を心配する親御さまにとっても、この設備は安心材料になります。導入することで、物件への信頼性と好感度を高められるでしょう。
一人暮らしの学生が「妥協してもいい」と感じる設備3選
一方、学生の多くが「家賃とのバランスを考えれば、優先度を下げてもよい」と感じる設備もあります。人気設備とは違い、学生にとって「使わない」「なくても困らない」と判断されやすい設備です。
ここからは、学生の一人暮らしにとって「妥協」の対象になりやすい設備を3つご紹介します。
- 追い焚き機能
- インターネット無料
- 2口タイプのコンロ
「インターネット無料」は人気設備でも登場しましたので、「あれ?」と思った方がおられるかもしれません。
他の2つの設備と合わせて、「妥協してもいい」と思われている理由を解説していきましょう。
追い焚き機能

「追い焚き機能」は、単身者への調査で「こだわらなくてもよかった設備」の上位に入りやすい設備です。
学生の多くは湯船に浸からずシャワーで済ませることが多く、機能を使う機会が少ないのが実情。家族のように連続して入浴することもないため、必要性を感じにくい設備です。
導入にはコストがかかり、家賃が上がる要因にもなるため、学生にとっては他の条件を優先するほうが合理的です。結果として、追い焚きなしでも決まる物件が少なくありません。
インターネット無料

先述のとおり、「インターネット無料」は経済性を重視する学生にとって「必須設備」です。一方、通信品質を重視する層には「妥協してもよい設備」と見なされることがあります。
▼通信速度への不満が「妥協派」を生む
この二極化が起きる主な理由は、無料回線の多くが建物全体で共有されている点にあります。
夜間や休日など利用者が集中する時間帯は通信速度が低下してしまいます。動画の再生が止まったり、オンライン授業やゲームが途切れたりするといった不満が生じやすいのです。
さらに、無料タイプでは一般的にプロバイダや回線の種類を選べません。自分のライフスタイルに合わせて通信環境を最適化できないというデメリットもあります。
そのため、オンラインの授業やゲーム、動画視聴などを日常的におこなう学生は「有料でも、安定した光回線を自分で契約したい」と考える傾向があります。
▼コスト削減効果で「必須派」の支持も根強い
一方で、家計や仕送りの負担を考慮し、「毎月の通信費を節約できる経済効果」を重視する学生も少なくありません。そのため、インターネット無料の人気は高いのが実情です。
したがって、この設備は導入コスト以上に空室リスクを下げる投資と言えます。導入によって検索条件にヒットしやすくなり、内見率や成約率の向上にも直結します。
また、通信速度やルーターの同時接続台数を強化するなど、品質面への配慮を加えることで、経済性・品質の両面から幅広い学生層を取り込むことができるでしょう。
2口タイプのコンロ

2口タイプのコンロは、授業やアルバイトで忙しく、自炊の頻度が低い学生にとって「あれば便利だが、なくても困らない」設備の代表です。「1口コンロで十分」という声が多数を占めます。
むしろ、2口タイプは家賃が上がる傾向があり、費用対効果の面でも優先度が下がります。そのため、物件の方向性によって採用の可否判断を分けるのが賢明です。
コスト重視なら、1口コンロにして他の人気設備に投資。「料理を楽しめる」といったコンセプトでアピールするなら、2口タイプを導入してターゲットを絞り、収益性向上につなげるとよいでしょう。
これらの傾向を踏まえ、限られた予算でどこに投資するかを見極めることが、入居率を左右するカギになります。地域のニーズを捉えた設備戦略で、空室対策と収益性の両立を目指しましょう。
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