マンション経営において「オートロックの有無」は、入居率を左右する要因となっています。女性の単身者やファミリー層にとっては、物件を選ぶ際の必須条件のひとつと言ってよいでしょう。
とは言え「工事が大がかりで高額」と、導入を諦めている方が少なくないでしょう。 じつは近年、後付けオートロックの技術が進化し、比較的低コスト・短工期で導入できるケースが増えています。
本稿では、後付けオートロックの魅力や導入時の注意点をわかりやすく解説します。入居率改善のヒントになれば幸いです。
目次
なぜ今、オートロックの後付けが注目されているのか

近年、賃貸住宅を選ぶ入居者の多くが「安全性」を重視するようになっています。
その結果、既存のマンションやアパートでも「後付けオートロック」の導入を検討するオーナーや管理会社が増えてきました。
防犯意識の高まりから人気の設備として定着
近年ではSNS等の普及で犯罪のニュースを目にする機会が多くなり、防犯意識の高い方が増えました。その結果、オートロックは賃貸物件において人気の設備として定着しています。
▼オートロックの有無が入居率を左右する
とくに女性の単身者や子どものいるファミリー層にとって、オートロックは物件選びの必須条件となることも多く、賃貸情報サイトでは「オートロックあり」で検索する人が目立ちます。
オートロックがない物件は、その時点で賃貸情報サイトの検索結果に出てきません。なすすべもなく、候補から外れてしまう可能性があるのです。
▼安心感が物件の魅力を高める
オートロックは、不審者や部外者の侵入を防ぐ「最初の砦」として機能します。セールスや勧誘などの訪問を減らすのにも、役立っています。
住人以外が自由に建物に入れないので、入居者は安心して日常生活を送れます。オーナーにとっても、入居率を高める大きな武器となります。
後付けオートロックの技術向上
かつての後付けオートロックは、「工事が大規模で高コスト」と認識されていました。
しかし、近年は技術革新が進み、築年数の古いマンションや小規模アパートでも、比較的低コストかつ短工期で設置できようになっています。
とくに大きな進歩を遂げたのが、配線工事の簡素化です。
従来のようにエントランスから各住戸まで有線で配線を引き直す必要がなくなり、無線技術や既存の電話回線、インターネット回線を活用できるようになりました。
その結果、工事費用や工期が大幅に削減されています。初期投資の負担も軽減され、費用対効果を見込みやすくなりました。
IoTオートロックがもたらす利便性
近年注目を集めているのが、IoT技術を活用したオートロックです。
従来のセキュリティ機能に加え、入居者にとっての利便性が大きく向上したことで、後付け導入を後押しする要因となっています。
▼スマートフォン連携による遠隔操作
代表的なのがスマートフォンとの連携です。入居者のスマートフォンを、インターホンの子機として利用できます。
さらに外出先からでも来訪者の映像を確認し、会話やエントランスの解錠ができるため、宅配業者や家族をスムーズに建物へ入れられます。
▼多様な解錠方法で鍵管理をスマート化
鍵の管理もスマート化されています。非接触ICカードや暗証番号など、多様な解錠方法に対応することで、物理的な鍵の紛失リスクが軽減されます。
このような新しい仕組みによって、入居者は安心と便利さを両立できるため、オートロック付き物件の魅力がさらに高まっています。
IoTオートロックは、オーナーにとっては低コスト・短期間での導入を可能にし、入居者にとっては安全と利便性を提供する一石二鳥のソリューションとして、注目を集めているのです。
後付けオートロックは現実的?セキュリティを向上できる?

これまで「大がかりで費用がかさむ」と思われていたオートロックの後付け工事。しかし近年は、技術の進歩によって導入のハードルが大きく下がっています。
実際に築年数の古い物件でも、比較的手軽に設置できるケースが増えています。セキュリティ強化を検討するオーナーにとって、現実的な選択肢となりつつあります。
工事の簡素化による低コスト・短工期での導入が可能に
従来のオートロックは、エントランスから各住戸まで配線を引き直す必要があり、この作業が高コスト・長工期の原因となっていました。
しかし現在は、既存の電話回線やインターネット回線、あるいは無線技術を活用できるシステムが登場し、各住戸への配線工事自体が不要に。工期は、最短1日で完了するケースもあります。
居室内への立ち入りも避けられるため、入居者への負担や許可取りの手間も大幅に減らせます。
「大がかりな工事は無理」と諦めていたオーナーにとって、セキュリティ強化を現実的に実現できる時代になったと言えるのではないでしょうか。
後付けオートロックの注意点
後付けオートロックには多くのメリットがありますが、導入にあたってはいくつか注意すべき点もあります。
事前に確認を怠ると、防犯性や利便性をじゅうぶんに発揮できない可能性があるため、ポイントを押さえておくことが大切です。
注意点をふたつご紹介しましょう。
- エントランス以外の侵入経路を確認する
- 集合ポストの位置の確認する
順番に詳しく解説します。
▼エントランス以外の侵入経路を確認する
オートロックは、あくまで「正面玄関からの侵入」を防ぐための設備です。そのため、他の経路が無防備なままでは、防犯効果が発揮されません。
たとえば、非常階段や裏口が無施錠で放置されていれば、不審者の侵入経路となりかねません。これらの扉には暗証番号錠や鍵付き扉を設置するなどの対策が必要です。
さらに、共有部の塀や柵も外部から侵入できない高さに整備することが求められます。
▼集合ポストの位置を確認する
オートロック設置の際に意外と見落とされがちな問題が、郵便物や新聞の配達です。
郵便局員や新聞配達員には、通常、オートロックを解錠する権限がありません。そのため、集合ポストがオートロックの内側にあると、配達ができなくなってしまいます。
もし内側にある場合は、ポストを外側へ移設する、あるいは配達員専用の解錠手段を設けるなど、セキュリティと運用の両立を検討する必要があります。
このように、建物全体を見直し、必要な対策を実施することで、はじめて高い防犯性と利便性を両立させられます。
スマートロックより、オートロックのほうがいい?
「スマートロック」と「オートロック」は、どちらも「鍵を自動でかける」仕組みを含みますが、設置場所や役割の範囲には大きな違いがあります。
導入を検討する際には、それぞれの特徴を理解し、目的に合った選択をすることが大切です。
▼オートロックとは?
オートロックは、扉が閉まると自動的に施錠される防犯システム全体を指します。
主に建物全体の防犯を目的としており、集合住宅のエントランス(共用玄関)に設置され、部外者の侵入を制限します。
導入には一定の初期コストとメンテナンス費用がかかります。
▼スマートロックとは?
スマートロックは、スマートフォンやICカードなどを使って解錠する電子錠を指します。各住戸の玄関に取り付けることで施錠忘れを防ぎ、鍵の管理を便利にするのが主な目的です。
「オートロック機能」を搭載している製品も多く、暗証番号や指紋認証など多様な方法で解錠できます。ただし、電池切れやスマホ忘れによる閉め出しのリスクがある点には注意が必要です。
▼どちらがいいかは、何を目的とするかによる
オートロックとスマートロック、導入するならどちらがいいのでしょうか?
どちらが優れているかは、一概には決められません。建物全体の防犯を強化したいのか、各住戸の施錠忘れを防ぎたいのかによって選択は変わります。
オートロックは建物全体への侵入を防ぐ「一次バリア」として機能し、スマートロックは各住戸の施錠忘れを防ぐ「最終バリア」として機能します。
導入するかどうかも含め、迷ったときは業者に相談して、見積もりを作ってもらうとよいでしょう。具体的に一歩前進できます。
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