あなたは「リフォームをしたいけど、どこまで自分でできるのだろう?」とか「DIYリフォームで工事費用を抑えたいけど、どうすればいいの?」と悩んでいませんか?
その悩みは、DIYリフォームの基礎知識を身につければ解消できます。DIYでできるところは自分でやり、自分で施工できないところは業者に任せることで、効率的にコストダウンできますよ。
本稿ではDIYリフォームの基礎知識から、費用を抑えるコツ、さらには注意点まで詳しく紹介します。あなたも、本稿を参考に「DIYリフォーム」に挑戦してみませんか?
目次
DIYリフォームの基礎知識
さっそく、DIYリフォームの基礎知識からご紹介しましょう。
DIYリフォームとは?
DIYとは「Do It Yourself」の略です。よって、DIYリフォームとは、専門の業者を利用せず自分でリフォームする(材料の調達や施工を自分でやる)ことを指します。
DIYリフォームのメリットとデメリットをご紹介しましょう。
メリット | 施工費を払わなくて済む。DIYが好きな人は、楽しみながら工事代を節約できる。腕前が上がれば、副業になることもある。 |
---|---|
デメリット | 工具購入等の初期費用がかかる。手先が器用な人やDIYに慣れている人以外は、施工精度が落ちる。完成まで日数がかかる。 |
DIYリフォームは、はじめは少し難しく感じるかもしれません。しかし、方法とコツさえ分かれば、住まいを自分で好きなように模様替えできる楽しさとコストダウンを同時に享受できるでしょう。
「リフォーム会社の担当者や職人さんに、やりたいことをうまく伝えられない!」とか「今すぐリフォームしたいのに、業者と日程調整しないといけないなんて!」といった悩みからも解放されます。
どこまでDIYで施工できる?リフォームしやすい箇所は?
さて、リフォームはどこまでDIYで施工できるのでしょうか。まずは、業者に依頼した方がよい箇所をご紹介しましょう。
資格が要る工事 | 電気工事、ガス工事、水道工事など |
---|---|
専門的な工事 | 水回り設備の交換、間取りの変更をともなうリフォームなど |
危険をともなう工事 | 屋根工事、外壁塗装など |
上述の工事は、資格を持っている方やそのリフォームに精通した方以外は業者に任せるほうが無難です。廃材がたくさん出て分別や処分が大変な工事も、業者に任せるほうがラクでしょう。
では、どこならDIYでリフォームしやすいのでしょうか。―― 定番は「壁・床・水回りのリメイク」です。詳しくご説明しましょう。
室内の壁
クロス(壁紙)の貼り替えは、DIYリフォームの定番です。道具の使い方を覚える必要がありますが、比較的チャレンジしやすい工事ですよ。
最近は、のり付きやシールタイプなど、素人でも貼りやすい壁紙が販売されています。これを利用すれば、貼り付けて余分なところをカットするだけですので、失敗が少ないでしょう。
クロスの上から水性塗料を塗るリフォームも、DIYで実施しやすいでしょう。水性ならニオイが少なく、必要な道具をそろえて塗り方のコツをつかめば誰でも簡単にムラなく塗れます。
その他にも、以下のプチリフォームなら、素人でもすぐに上手にできるようになります。
- コンセントプレートの交換
- 水回りのコーキング材の打ち替え
- カーテンやブラインドの取り付け
- 障子やふすまの貼り替え
ぜひ、チャレンジしてみてください。
室内の床
床材の重ね張りなら、DIYで簡単にリフォームできます。脱着可能なフローリングや、既存の床に両面テープで貼れるフローリングがありますので、これを利用していただくとよいでしょう。
脱着可能なフローリングなら、賃貸住宅の入居者でも利用できます。既存の床に置くだけですから、退去時には外して持って行けます。キズや汚れも付きませんので、原状回復も必要ないでしょう。
他にも、こんな床リフォームがDIYでできますよ。
クッションフロアの貼り替え | コツをつかめば、初めての方でも簡単にキレイに仕上げられる。 |
---|---|
畳を撤去して、フローリングに貼り替え | 大工仕事に抵抗がないなら、チャレンジできる。 |
畳をフローリングに替えるリフォームは、畳よりフローリングのほうが薄いため、畳の厚みを埋める根太や捨て張りの工事が必要です。しかし、DIYが好きな方ならそれほど苦労しないでしょう。
ちなみに、マンション等の防音対策が必要な床リフォームは、防音性能を満たす床材や下地材を使用してください。
水回り
水回りも、簡単な模様替えならDIYでリフォーム可能です。たとえば、こんなところのリフォームができますよ。
- 床材の張り替え
- 壁の塗装
- 壁紙の貼り替え
- 装飾タイル貼り
- キッチンをカッティングシートでリメイク
- 棚の造作
キッチンカウンターの腰壁にタイルを貼るDIYリフォームも、人気ですね。必要な道具をそろえ、貼り方のポイントを押さえれば、誰でも装飾タイルを貼れるようになるでしょう。
一方、キッチンや洗面化粧台、トイレなどの設備の入れ替えは難しいので、腕に覚えがある方向きです。ガス・電気・水道がからむと、資格が必要になります。
DIYリフォームの費用を抑えるコツ
つづいて、DIYリフォームの費用を抑えるコツをふたつご紹介します。
コツ1:材料や工具、工事のコツやテクニックについて詳しく学ぶ
DIYリフォームの費用を抑えるうえで、材料や工具について知ることや、工事のコツやテクニックについて詳しく学ぶことはとても重要です。
材料や工具の知識が不足していると、こんなことが起こります。
- 余分な材料や工具を買ってしまった
- 材料や工具が足りなかった
- 買う材料や工具を間違えた
工事のコツやテクニックを知っておかないと、こんな失敗が発生します。
- 結局、自分ではできなかった
- 2人いないと作業できなかった
- 想像していたようなキレイな仕上がりにならなかった
昨今、ブログや動画コンテンツでDIYのノウハウがたくさん発信されています。一度、見てみるといいでしょう。イメージトレーニングにもなります。
以下の人は、思い切って習いに行くのもひとつの方法です。
- DIYリフォームを趣味にしたい人
- 同じDIY作業を繰り返しやる可能性がある人
- 大家さんや管理会社のスタッフ
プロに習うことで、短期間にスキルアップできます。失敗リスクも減らせるでしょう。継続してDIYリフォームをおこなう方なら、習う価値は大きいのではないでしょうか。
大家さんや管理会社のスタッフがDIYリフォームを覚えてしまえば、簡単な原状回復なら自分でできるかもしれません。浮いた費用を大規模修繕に回せます。
コツ2:うまくできそうなイメージが湧く工事だけ手を付ける
先ほど「ブログや動画コンテンツを見てみるといい、イメージトレーニングになる」とお伝えしました。実際にご覧いただき「自分にもできそう!」と感じた工事は、うまくいきやすいでしょう。
一方「難しそう」とか「うまくできるイメージが湧かない」と感じた工事は、やっぱりうまくいかないケースが多いです。潔くプロに任せることも、ご検討ください。
「うまくできそう」と感じた工事であっても、工期はじゅうぶんな余裕を見ておくほうが安心です。1日で終わるつもりが、次の週までかかった……なんて方も少なくありません。
- うまくできるイメージが湧く ⇒ 工期の余裕を見て、自分でやってみる
- うまくできるイメージが湧かない ⇒ 業者に任せ、短期間で終わらせる
すべて自分でやろうと思わず、部分的にプロの力を借りるのも有効です。リフォーム工事は「DIY」か「業者に依頼する」の二択ではありません。
下地だけやってもらい仕上げを自分でやったり、難しいところだけプロの職人さんにお願いしたりするといいでしょう。うまく「DIY」と「業者に依頼する」を使い分けてください。
DIYリフォームの注意点
最後に、DIYリフォームの注意点をご紹介します。
安全対策をおろそかにしない
リフォーム工事では、自分の安全と建物の安全を考えましょう。安全性が担保できない工事は、プロに任せていただくほうが安心です。
自分の安全 | 外壁塗装や屋根工事などの高所作業や危険な工具を使う作業は、プロに任せる。アスベスト含有建材を使用している可能性がある場合も、専門家に依頼する。 |
---|---|
建物の安全 | 間取りの変更をともなうリフォームは、耐力壁を壊してしまったり、壁量のバランスを悪くしてしまったりする可能性があるので建築士を入れるほうが安心。 |
2006年以前に建った建物は、アスベスト含有建材を使用している可能性があります。万が一、アスベストを含む建材を破壊や切断してしまうと、健康に重大な悪影響を与えてしまいます。
心配な方は、業者を通じて必ず調査と適切な除去作業を実施してください。アスベストについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
間取りの変更をともなうリフォームも、業者に任せるほうが無難です。とくに「ツーバイフォー構造」の住宅は、壁や床などの面材で建物を支える構造ですから、抜けない壁が多いのでご注意ください。
また、壁内に電気配線があるケースも慎重に進める必要があります。資格がないと電気配線を移動できませんので、壁の撤去ができなくなるかもしれません。
資格の要る工事は、有資格者に依頼する
電気工事やガス工事、水道工事は資格が必要です。資格が必要な工事を素人がおこなうと大事故につながる恐れがありますので、絶対にやめましょう。
▼電気工事
一般的に「電気工事」と思われているものは、厳密には電気工事士法や電気工事士法施行令、電気工事士法施行規則によって以下の3つに分類されています。
- 電気工事であり、電気工事士等の資格が必要な工事
- 電気工事だが、電気工事士等の資格が不要な軽微な作業
- 電気工事ではない、軽微な工事
電気工事士の資格が必要な電気工事は、たとえば以下のようなものが該当します。
- 電線相互を接続する作業
- がいし(電線を支えるための器具)に電線を取り付ける、または取り外す作業
- 配線器具を取り付け、それに電線を接続する作業
一方、以下の軽微な作業や工事は資格を必要としません。
- 600V以下の電球交換
- コンセントカバーの交換
- インターホン(36V以下)の配線
- 天井にローゼットや引っかけシーリングがある箇所の照明器具の取り付け
繰り返しになりますが、資格が必要な電気工事を素人がおこなうと、感電や火災の原因になりかねません。必ず有資格者に依頼してください。
▼ガス工事
都市ガス機器の接続工事をおこなうには「日本ガス協会 簡易内管施工士」の資格が必要です。工事後には、ガスメーターの下の管に規定のラベルを貼ることも義務付けられています。
また「ガス機器設置スペシャリスト」や「ガス可とう管接続工事監督者」の資格を持っていないと、ガス機器とガス栓の接続ができません。
LPガス機器の接続工事おこなうには「液化石油ガス設備士」の資格が必要です。都市ガスもLPガスも、素人がおこなうと火災やガス中毒の原因になります。必ず有資格者に依頼してください。
参考:一般社団法人 日本ガス石油機器工業会「ご注意!!ガス機器の設置の際、ガス接続には資格が必要です!」
▼水道工事
給水装置(道路の下の給水管から蛇口まで)の工事は、専任の給水装置工事主任技術者がいて、水道事業者(自治体の水道局など)から指定を受けた業者しか実施できません。
これは「水道法」に規定されていて、指定業者以外が工事した場合は水道を止められることもあるという厳しい内容になっています。ただし、同時に「給水装置の軽微な変更」は例外になっています。
参考:水道法 第16条の2
この「給水装置の軽微な変更」は「水道法施行規則 第13条」に規定されています。具体的には以下のように書かれています (太字は筆者による)。
法第十六条の二第三項の厚生労働省令で定める給水装置の軽微な変更は、単独水栓の取替え及び補修並びにこま、パッキン等給水装置の末端に設置される給水用具の部品の取替え(配管を伴わないものに限る。)とする。
出典:水道法施行規則 第13条
下水の場合も同じく、選任の排水設備主任技術者がいて、自治体から指定を受けた業者しか実施できません。衛生上の観点からも、下水は指定事業者に修繕してもらうほうがいいでしょう。
DIYリフォームは、自分の手で住まいを改善する喜びを感じられるだけでなく、工事費用を抑えることも可能です。しかし、そのためにはリフォームの基礎知識とコツを理解する必要があります。
また、安全対策をおろそかにしないこと、資格が必要な工事は有資格者に依頼することも忘れてはなりません。DIYリフォームは、安全と法律を守ることを前提に進めていきましょう。
賃貸管理のご担当者さまのための、お悩み解決サービス
賃貸管理のご担当者さまはやる仕事が多く、本音を言うと、空室対策のアイデアの提案を考える余裕がない方が少なくないでしょう。そんなお悩みを弊社REPAIR(リペア)が解決します。
REPAIRには、原状回復から大規模リノベーションまで、年間10000件を超える工事実績と豊富な経験があります。この実績と経験を活かし、賃貸管理のご担当者さまに空室解消の解決策をご提案できます。
空室対策でお悩みの方は、ぜひ弊社へお気軽にご相談ください。