フローリング(床材)の種類と選び方を解説 – リフォームでおすすめは?

リフォームされる際、フローリング選びで迷う方が少なくありません。色柄や機能、インテリアとの兼ね合いなど、考慮することが多いので悩んで当然です。

しかし、そんな悩みは、いくつか知識を身につけることで解消できます。要点さえ理解すればスムーズに選べるようになり、リフォームの満足度も上がりますよ。

本稿では、フローリングの種類選び方のポイントをご紹介します。ぜひ、本稿を読んで、あなたにぴったりのフローリングを見つけてください。

目次

フローリングの種類

さっそく、フローリングの種類からご説明します。

フローリングは、大別すると「無垢フローリング」と「複合フローリング」に分けられます。それぞれの特徴をご紹介しましょう。

無垢(むく)フローリングの特徴とメリット・デメリット

無垢(むく)フローリングの特徴とメリット・デメリット

無垢材とは、天然の木をそのまま角材や板などに加工した木材のことです。天然材ですので、同じ木目のものがふたつとありません。

無垢フローリングは、樹種によって性質が異なります。ですので、その特徴を一概に断定できませんが、ここでは傾向としての特徴をご紹介しましょう。

まずは、メリットです。無垢フローリングには以下の長所があります。

  • 自然のままの美しい木目がある
  • 経年による色味の変化を楽しめる
  • 風合いがよく、木のぬくもりを感じる
  • オーセンティックな高級感や重厚感がある
  • 自然素材ならではの調湿効果がある
  • 歩行時の弾力感や肌ざわりがよい
  • 耐用年数が長く、次世代に引き継ぐことも可能

一方、無垢フローリングには以下の短所があります。

  • 樹種によっては高額
  • 工事費が高くなる
  • 樹種によってはキズ付きやすい
  • 伸縮や膨張、反り、割れが起こりやすい
  • 無塗装のものは水に弱い
  • 再塗装やキズ補修等のメンテナンスが必要

天然材は水や汚れに弱いですので、塗料やワックスなどで表面を保護するのが一般的です。水分を吸ってしまうと、膨張や反りの原因になります。

また、水拭きや専用クリーナーを使ったお手入れを定期的におこなうことが、推奨されています。塗料やワックスが劣化してきたら、再塗装が必要です。

なお、無垢フローリングはひとつとして同じものがありませんので、配置しだいで格好よく見えたりやぼったく見えたりします。

いくつか人気の樹種をご紹介しましょう。

▼オーク

オークは、カシやナラなど、ブナ科コナラ属の木材の総称です。しっかりとした木目が特徴的で、日焼けをするとやや黄色く変化していきます。

オークは堅く耐久性が高い木材で、家具や内装用建材のほか、ウイスキー樽などにも使われています。床材としては適度な硬さです。

一方、表面がささくれて毛羽立ちやすいため、無塗装では使いづらいでしょう。

▼ブラックウォルナット

ブラックウォルナットは、北米で採れるクルミ科の広葉樹です。マホガニーやチークなどと並び賞される世界的な銘木で、非常に人気があります。

最大の特徴は、気品がある重厚な木目と、濃い茶褐色の木肌でしょう。優れた加工性と衝撃に対する強さもブラックウォルナットの長所で、ライフルの銃床として重用されています。

一方、希少性が高く高級感がありますので、他の樹種に比べて高価です。とくに、木目に交差・ねじれ・こぶのあるものは装飾的な価値があり、高額で取引されています。

▼サクラ(カバザクラ)

サクラはカバノキ科の広葉樹で、日本で春に咲く「桜」とは別の樹種です (桜はバラ科サクラ属)。では、ばぜ「カバ」を「サクラ」と呼んでいるのでしょうか。

諸説ありますが、最大の理由は木肌の雰囲気がよく似ているからでしょう。カバのほうが少し黄色いですが、どちらも淡くて繊細な木目です。

サクラは割れにくく加工性がよい樹種で、家具や木製のオモチャなどにもよく使われています。長所が多いので、リストアップしておきましょう。

  • 他の広葉樹に比べてリーズナブル
  • 供給量が多く、価格が安定している
  • 明るく柔らかな色味と主張しすぎない木目
  • 木肌が滑らかで、すべすべと柔らかな肌ざわり
  • 柔らかすぎず適度な弾力性、衝撃吸収性がある

サクラは価格と見た目、肌ざわりのよさから広く普及しています。体育館やダンスフロアなんかにも、よく使用されますね。

欠点が少ない木材ですが、やや耐久性が低いところが短所と言えるかもしれません。油分が少なく、湿度や温度の変化によって収縮・膨張しやすいところも注意が必要です。

▼ブラックチェリー

ブラックチェリーは、バラ科の広葉樹です。果実(アメリカンチェリー)が有名ですね。ちなみに、北米ではチェリーがサクラを指し、先述のカバは「バーチ」と呼ばれています。

ブラックチェリーは北米を代表する高級木材で、家具材として重宝されています。薄い赤褐色の色味で、無垢の木材らしい濃淡があります。経年による色の変化が、はっきり分かります。

長所は、木目が緻密で木肌が滑らかなところでしょう。加工性がよく、乾燥後は寸法の安定性も高いです。一方、やや高価なところが短所と言えるかもしれません。

▼チーク

チークはクマツヅラ科の落葉高木で、タイやミャンマーを中心に植林されています。落ち着きのある暗褐色の比較的まっすぐな木目が特徴で、経年により濃いアメ色に変化していきます。

チークは、美しい見た目から、床材だけでなくホテルやショップの内装材にも利用されています。油分が多く、腐朽や虫害に強いので、船舶のデッキ材にも使われます。

短所は、やや高価なところです。とくに、天然で育った大きなチーク材は、希少性が高く高価格で取引されています。

複合(複層)フローリングの特徴とメリット・デメリット

複合(複層)フローリングの特徴とメリット・デメリット

複合フローリングとは、合板や集成材の基材の上に薄くスライスした天然木や化粧シートを貼り合わせたフローリング材のことです。日本では、複合フローリングが住宅床材の主流になっています。

合板厚さ数mm、幅約90cm、長さ約180~270cmの薄い板(単板)を、木材の繊維方向を直交させながら積層して、接着剤で貼り合わせた木質材料。
集成材厚さ数cm、幅10数cmの板材(挽板)を、木材の繊維方向をそろえて積層し、接着剤で貼り合わせて太くした木質材料。

複合フローリングには、以下のメリットがあります。

  • 無垢と比べてコストを抑えられる
  • 寸法が安定している
  • 機能が充実している
  • メンテナンスが簡単

合板や集成材を基材としている複合フローリングは、温度や湿度変化による収縮・膨張が少ないという長所を持っています。ですから、床暖房対応製品がたくさんあります。

機能も充実していて、キズや汚れに強い製品やワックスフリーの製品、防音性能のある製品などがあります。ペットと一緒に暮らす家や、マンションのリフォームなどで重宝します。

一方、複合フローリングには以下のデメリットがあります。

  • 質感や風合いは、無垢材には及ばない
  • 深いキズが付くと、中の基材が見える
  • 無垢材に比べて、耐用年数が短い

複合フローリングは、表層の化粧材を破損させると修復できない場合があります。破損により基材が見えると、見た目も悪くなりますので、交換せざるを得ないでしょう。

一方、無垢フローリングは細かいキズなら修復できます。大きなキズであっても「味わい」と捉えられなくもありませんので、長く使いたいとお考えでしたら無垢のほうが有利です。

なお、複合フローリングの表層の化粧材は3種類あります。ご紹介しておきましょう。

▼挽板(ひきいた)

挽板とは、木材を2~3mmほどの厚みで挽いた板のことです。挽板を貼った複合フローリングは、無垢に近い質感になります。その反面、後述の突板やシートのものよりやや高額です。

▼突板(つきいた)

突板とは、木材を0.2~1mmほどの薄さにスライスした板のことです。突板を貼った複合フローリングは、低コストで木材の風合いを楽しめます。ただし、合板の踏み心地です。

▼シート

シートは樹脂製で、木目模様を印刷で表現します。リアルなものが増えましたが、安っぽく見えるものもあり注意が必要です。シートの複合フローリングは、広幅デザインのものを作成できます。

リフォームでおすすめのフローリングの選び方

リフォームでおすすめのフローリングの選び方

つづいて、フローリングの選び方をご紹介します。

色柄や風合い、さわり心地を確かめる

まず気になるのが、意匠性でしょう。以下に注目してみてください。

  • 色味
  • 木目の雰囲気
  • ツヤ(あり・なし)
  • 幅(2P・3Pなど)

フローリングを選ぶ際、好みだけでなく、室内空間のコーディネートを意識することが大切です。インテリアのスタイルにマッチしたものを選びましょう。

意外と見落としがちですが、複合フローリングの幅は2タイプあります。フローリングの幅はお部屋の印象に影響しますので、じっくり選びましょう。

たとえば、広いお部屋には幅広の2Pタイプがおすすめです。狭いお部屋には、幅狭の3Pが合いやすいでしょう。

  • 2Pタイプ:151.5mm×2列で構成された複合フローリング
  • 3Pタイプ:101.0mm×3列で構成された複合フローリング

一方、無垢フローリングの幅は75~90mmが一般的ですが、50mm以下のものや200mmを超えるものもあります。いろいろ見て、どんなタイプのフローリングが好きかご検討ください。

同時に、複合フローリングを許容できるかご確認ください。無垢にされる場合は、どこまで節を味わいとして許容できるか確認しましょう。

機能を確かめる

意匠性の次に気になるのが、機能でしょう。

複合フローリングは、さまざまな機能を付加した商品があります。機能の例をあげてみましょう。

  • 抗菌
  • 防音
  • キズに強い
  • 車椅子対応
  • ペット対応
  • 床暖房対応
  • 低VOC

ちなみに、マンションリフォームでは、管理規約に防音性能の規定があるケースが少なくありません。リフォーム前に、必ず目を通しておきましょう。

一方、無垢フローリングは塗装の種類で性能や見た目が変わります。代表的な塗装方法をご紹介しましょう。

ワックス塗装動物性や植物性のロウを木の表面に塗り、水分や汚れから守る。塗膜が薄いので、木の本来の質感を感じやすい。無塗装に近い、サラっとした仕上がり。
オイル塗装表面に天然油脂等を塗り浸透させる。濡れたような色合いで、木の表情がしっとりと浮かび上がる。塗膜が薄いので、木の本来の質感を感じやすい。
UV塗装紫外線で素早く硬化する「UV塗料」を使った塗装方法。耐久保護年数が長い。表面の塗膜が硬いので摩耗やキズ、水分に強い。光沢感がある。
ガラスコーティング床材の表面に、安全で硬いガラス塗膜を形成する塗装方法。キズや水分に強く、耐久保護年数が長い。光沢を抑えた自然は風合い。塩素系の洗剤に弱い。

複合フローリングと無垢フローリングで迷った場合は、それぞれ1~2種類選んで、見積もり金額を見てから比較するとよいでしょう。

メンテナンスのしやすさを確かめる

何十年と付き合うフローリングですから、選定において「日々のメンテナンスのしやすさ」も重要な要素でしょう。

基本的に、複合フローリングはメンテナンスフリーに近いものが多いです。その反面、ものによっては耐用年数が短く、数年から十数年に一度、貼り替えが必要になる場合があります。

一方、無垢フローリングは樹種や塗装の種類によってメンテナンスの方法や頻度が変わります。とくに、オイルやワックス仕上げは風合いがよい反面、頻繁に再塗装が必要になります。

価格を確かめる

フローリングの候補が決まったら、最後に見積もりを依頼しましょう。フローリングの貼り替え工事の費用は、一般的に以下の合計金額(目安:6,000~25,000円/m²)になります。

  • 既存床材の解体撤去費
  • 下地と新規フローリングの材料費
  • 施工費

材料費は、無垢フローリングのほうが高額になる傾向があります。しかし、無垢材でも安いもの(サクラやパイン材で節や樹皮痕が多いものなど)もありますので、探してみてください。

一方、複合フローリングでも、機能が充実しているものは高額です。とくに、防音タイプの複合フローリングは高価ですので、使用される場合は予算に余裕を見ておくべきでしょう。

なお、リフォームでは、重ね張りを採用すると安くできます。重ね張りとは、既存のフローリングをそのまま下地として活かし、その上に新しいフローリングを張る施工方法のことです。

【まとめ】

中古物件仲介の不動産会社さまに、ご提案

中古物件を売却する際、リフォームしてから売却活動をするほうが、そのまま売り出すより早く売れる場合がありますよね。

とは言え、最適なリフォームの形はご家庭ごとに違いますから、自分でリノベーションしたい買主さまもおられることでしょう。「できるだけ費用をかけたくない」という売主さまもおられます。

御社も「リフォームせずに、リフォームしたみたいな反響が得られたらなあ」とお悩みではないでしょうか。そんなときは、弊社のサービスをご利用ください。

無料で以下の資料をご提供します。

  • 提案図面
  • パース
  • 概算見積もり

これらの資料を、内覧時等のタイミングで購入検討者さまにお渡しいただくと、改修工事による変化をご理解いただきやすくなります。反響や成約の獲得ツールとしてご利用ください。

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