家事動線がいい間取りとは?家事をラクにするためのポイントを紹介

日本では、共働き世帯が増加傾向にあります。その結果、少しでも家事をラクにできないかと悩む方が増え、家事の時短技やライフハックが注目されています。

しかし、時短技やライフハックだけでは家事の省力化に限界があります。間取りから見直すことができれば、ムダな移動と時間を大幅に削減できるでしょう。

本稿では、新築やリノベーションで取り入れたい「家事動線がいい間取り」や「家事をラクにしてくれる間取り」をご紹介します。間取りの変更をご検討中の方は、最後までご覧ください。

目次

家事動線がいい間取りとは

家事動線がいい間取りとは

「家事動線がよい間取り」とは、家事をスムーズにおこなえるように設計された間取りのことです。家事動線がよいと、ムダな動きが減り、家事に消費する時間を節約できます。

では、日常的におこなわれる家事にはどんなものがあるのでしょうか。―― たとえば、こんなものが家事に該当します。

  • 掃除:掃除機をかける、拭き掃除、水回り掃除、ゴミ捨てなど
  • 洗濯:洗濯、乾燥、アイロンがけ、たたむ、衣服の収納など
  • 炊事:食材の買い出し、調理、食器の洗浄、食器の片づけなど
  • 育児:入浴、遊び相手、身の回りの世話、勉強のサポートなど

家事は生活に欠かせませんが、意外とムダが多いでしょう。ですから、少し工夫するだけで効率化できます。その「効率化」に大きく影響するのが、間取りと家事動線です。

ただし、間取りは敷地の形状や住居の広さ、各ご家庭の家族構成や生活スタイルなど、さまざまな要素を考慮してつくらねばなりません。

つまり、だれにでもおすすめできる「家事動線がいい間取り」はない、ということです。各ご家庭の状況をヒアリングしたうえで最適解を導きだし、形にしていかなくてはなりません。

さらに、生活スタイルや家族構成は変化するものです。ですから、リフォーム等で変更しやすくしておくことも大切です。

家事楽(ラク)間取りにするためのポイント

家事楽(ラク)間取りにするためのポイント

つづいて、家事ごとに間取りや動線のポイントをご紹介しましょう。

掃除

ロボット掃除機を利用するご予定の方は、ロボット掃除機の充電スペースが必要です。スキップフロアなどの段差は、できるだけ設けないほうがいいでしょう。

収納スペースの量も、掃除に影響します。収納が多い住宅はものが散乱しにくく、掃除がしやすくなるのです。生活感のあるものや雑然としたものを、収納に隠しておくこともできます。

間取りから少し外れますが、掃除しやすいキッチンを選ぶことも大切です。シンクやコンロ、換気扇、オーブンレンジを選ぶ際は、ショールームの実機で掃除の手順を確認しておくとよいでしょう。

洗濯

家事の中でも、もっとも動線の影響を受けやすいのが「洗濯」です。洗濯は「洗う、干す、取り込む、アイロンがけ、たたむ、しまう」と作業が多く、しかも移動距離が長いのです。

1階に洗濯機があり2階にベランダがある一戸建ての家では、1階と2階の往復移動が発生して大変です。以下の距離を短くできるように、お部屋の配置を工夫する必要があります。

  • 洗濯機と物干し場の距離
  • 物干し場と服をたたむ場所の距離
  • たたむ場所と服をしまう場所の距離

共働き世帯は、暗くなる前に帰宅するのが難しいかもしれません。にわか雨にも対応できないでしょう。ですから、室内干しができるような間取りにしておくことも大切です。

炊事

料理をするには、意外とたくさんのものが必要です。たとえば、以下のものを収納しておく場所がキッチン周りにあると便利です。

  • 食材
  • 調理器具
  • 調理家電
  • 食器類

料理に必要な調理スペースと収納スペースの配置は、作業効率に大きく影響します。また、配膳の動線や買い出ししてきたものを運び入れてしまう動線も考慮する必要があります。

ゴミの日まで生ゴミや資源ゴミなどを保管しておく場所も、できるだけキッチンから近いほうがいいでしょう。

育児

育児は、家事の中でも特別なものです。育児に費やす時間や労力は、他の家事よりも多くなりやすいでしょう。相手は子どもですから、思いどおりにならないこともたくさんあります。

幼児期のお子さまは、危険なものに近づいたり手を伸ばしたりしてしまうことも考えられます。お子さまの遊び場所が、キッチンやリビングルームから近くて見える場所にあると安心です。

小学生になると、勉強をサポートする機会が増えるでしょう。キッチンの近くで宿題をしてくれると、料理をしながら見守り、必要に応じてサポートできます。

お子さまが自分の部屋を持つようになったあとも、部屋にこもらず、ちゃんとコミュニケーションを取れるといいですね。間取りの工夫しだいで、そんなこともかなえられます。

家事動線がよくなる間取りのアイデア

家事動線がよくなる間取りのアイデア

さて、動線の観点から、家事がラクになる間取りのポイントを解説しました。つづいて「あると便利な間取り」をご紹介しましょう。

ランドリールーム

ランドリールームは、洗濯に関する家事をするための部屋です。ランドリールームがあると「洗う、干す、アイロンがけ、たたむ」が一室でおこなえ、洗濯家事の動線を短縮できます。

ランドリールームがあれば夜や天気の悪い日でも干せますので、共働きのご家庭におすすめです。花粉や黄砂、PM2.5などが気になるご家庭も重宝されています。

衣類乾燥機やドラム式洗濯乾燥機をご導入いただくと、干す作業も省略できます。1階の洗濯機と2階のベランダの往復がなくなりますので、家事の負担が相当に減るでしょう。

ファミリークローゼット

ファミリークローゼットは、家族共用のクローゼットです。クローゼットは各私室に分散してつくるのが一般的ですが、それを一か所に集約したものと考えていただくと分かりやすいでしょう。

一般的な2階建ての間取り(1階にLDK、2階に寝室)では、1階にファミリークローゼットを設けることで、洗濯物や身の回り品の片づけがラクになります。

ファミリークローゼットの収納力がじゅうぶんあれば、各私室のクローゼットをなくすことも可能でしょう。そうすることで2階へ上がる機会が減り、生活動線も短くなります。

パントリー

パントリーとは、食料品や食器などを収納するための小部屋のことです。使用頻度の低い調理器具や調理家電の保管場所としても、重宝します。

パントリーがあると、食材をまとめ買いできるので、スーパーに行く回数が減ります。料理に使う雑多のものを片づけておけるので、キッチンがスッキリするでしょう。

スッキリしたキッチンは、居心地がいいですよね。お料理するのが、楽しくなります。掃除もしやすくなりますので、キッチンを清潔に保ちやすいでしょう。

共用スタディーコーナー

LDKの一部を利用して家族共用のスタディーコーナーを設けると、お子さまの勉強を見てあげやすくなります。親御さまも家事やテレワーク、インターネットなど多目的に使えます。

小学生の低学年では、ダイニングテーブルで宿題をするお子さまが少なくないでしょう。スタディーコーナーがあれば、食事の度にいちいち片づけなくてもよくなります。

近年、あえて子ども部屋の面積を小さくするご家庭が増えています。子ども部屋から「勉強部屋」の機能を分離して、家族共用のスタディーコーナーに移すのです。

そうすることで、親子のコミュニケーションが増えます。将来お子さまが独立されたあとも、使う人がいない「子ども部屋」の面積を最小限にできますので、ムダになりにくいでしょう。

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