面談を疎み外出を自粛する人が増えた影響で、ビジネスにゲームチェンジが起こりました。多くの不動産仲介会社が、商談数や売上の減少に頭を抱えています。
しかし、やり方しだいで契約数を伸ばせる余地はあります。実際、減った商談を確実に契約につなげていったり、逆境に負けず集客数を増やしたりできている会社があるのです。
本稿では、そのひとつの手法として、追客を効率化する方法をご紹介します。「デジタルトランスフォーメーションに取り組みたいけど、できてない」という方の参考になれば幸いです。
目次
コロナ禍がもたらした不動産業界への影響
コロナ禍は、不動産仲介にどのような影響をもたらしたのでしょうか。それを受けて、不動産営業はどのように変化すべきなのでしょうか。
ソーシャルディスタンスの影響で、不動産業界は業態(賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介)を問わず企業活動に影響が出ました。たとえば、以下のような傾向が出ている会社が少なくないでしょう。
- 内見者数の減少
- 来店者数の減少
- 問い合わせ数の減少
- 商談の延期・中止
- 売上の減少
このような環境の中で、顧客の取り合い状態が過熱化しています。この競争で倒れることなく今後も生き残っていくために、どこに注力すべきか見定めなければなりません。
消費者はオンラインサービスや非対面接客に慣れ、それが便利であることを知ってしまいました。もはやDX(デジタルトランスフォーメーション)から逃げ切れないことは、誰しも肌で感じているでしょう。
まぎれもなく、売買仲介の営業は転換点を迎えています。では、何をすればいいのでしょうか。
恐らく、多くの仲介会社がインターネットを活用した集客・追客に活路を見いだそうと施策を打たれたのではないでしょうか。たとえば以下を検討、または実行した会社が少なくないでしょう。
- ネット広告出稿
- 不動産ポータルサイトの強化
- VR(ヴァーチャルリアリティ)内覧を導入
ご想像のとおり、上述のような施策を打ってみたものの、思いどおりにいかなかった方が少なくありません。広告出稿やポータルサイトを強化しても、面談数やお問い合わせ数の減少が止まらないのです。
「競争激化で『今すぐ客』を取り逃し、費用対効果の落ち込みが止まらない」「売主も買主も様子見で検討期間が長期化する中、リソース不足で『そのうち客』を追い切れない」
どの仲介会社も、このような課題を強く認識されていることでしょう。今必要なのは「案件化のタイミングを逃さず接触して、つながりが切れないように関係を温める施策」ではないでしょうか。
不動産仲介会社が逆境に打ち勝つ方法
上述のとおり、現在は「今すぐ客」ばかりを追う狩猟型の営業だけでは厳しい状況です。「そのうち客」との関係を育てる農耕型の営業も、併用していくタイミングでしょう。
不動産仲介が置かれているこの逆境に打ち勝つ方法について、もう少し掘り下げてみましょう。
課題はマーケティングオートメーション
さて、案件化のタイミングを逃さず接触して、つながりが切れないように関係を温めようとすると、いくつか課題が見えてきます。例をあげてみましょう。
- 見込み顧客が活動を開始したタイミングを、どうやって知るか
- 見込み顧客が活動を開始したとき、自社を想起してもらうにはどうすればいいか
- 顧客の検討スピードに合わせて、継続的に接点を持つにはどうすればいいのか
- どうやって少ないリソース(人・金・時間)で見込み顧客を長期間追客し続けるか
この課題の答えを探す際に欲しいのが、すぐに仮説を立て施策を打ち、結果から改善を図る仕組です。省リソースでPDCAを何度も回す仕組、と言い換えてもいいでしょう。
つまり必要なのは、気軽に試せて育成できるマーケティング施策であり、一連の仕組の自動化です。そして、ここで目を向けていただきたいのが「インサイドセールス」です。
今こそ見直したい「インサイドセールス」とは?
「インサイドセールス」という言葉をご存じでしょうか。営業に関わる方には、もうおなじみの用語かもしれませんね。
インサイドセールスは、リード(見込み顧客)に対しておこなう非対面のコミュニケーションや、接点を持ったお客様を具体的に案件化するための営業活動を指します。
もう少し具体的にご説明しましょう。従来、多くの業種や企業の営業マンは、以下の仕事をすべて主体的にこなしていました。
- ターゲット選定
- 集客(リードの獲得)
- アプローチ
- アポイント獲得
- 商談
- クロージング
昨今、これを以下のように分業化しようとする動きが加速しています。そして、その過程で生まれたのが「インサイドセールス」です。
マーケティングの仕事 | ターゲット選定 |
---|---|
集客(リードの獲得) | |
インサイドセールスの仕事 | アプローチ |
アポイント獲得 | |
営業の仕事 | 商談 |
クロージング |
不動産仲介の営業を分業化する目的のひとつは「クロージングの確度向上」です。非対面で済む営業活動を精査・効率化して、営業マンの価値と成果を最大化することにあります。
マーケティング部分では、オウンドメディア(自社のメディア)やペイドメディア (広告媒体)、アーンドメディア(第三者のメディア)の活用が広がっています。
では、インサイドセールスでは何をするのか、どうやって自動化を図るのか。そこで打ち出す施策の精度によって「営業の仕事」に割けるリソースと成果が変わってくるのです。
メールマーケティングが進化している
では実際、インサイドセールスでどのような施策を打ち出していけばよいのでしょうか。方法はいろいろありますが、大きすぎる施策は中小企業にとって負担になりかねません。
そこでおすすめしたいのが、古くて新しい「メールマーケティング」です。
メールマーケティングとは?
メールマーケティングは、獲得したリードと接点を持ち続け、案件化する手段のひとつです。ご存じのとおり、メールを通じて見込み顧客とコミュニケーションを図ります。
元々、メールは1対1のコミュニケーションツールでした。それを企業が、不特定多数に配信するメルマガやステップメールとして活用しはじめました。
近年のメールマーケティングでは、不特定多数ではなく、一人ひとりに合わせた配信がおこなえるようになっています。見込み顧客の趣向や検討速度に合わせて、配信を最適化できるように進化しているのです。
メールマーケティングのメリット
メールマーケティングは、比較的安価で効果検証がしやすい施策です。中小企業や個人事業主でも利用しやすく、多くの方が活用されています。
メールマーケティングをうまく活用すると、査定や内覧のアポイントが取りやすくなります。営業マンは「今すぐ客」との商談に集中できますので、クロージング率の向上にも寄与するでしょう。
不動産ポータルサイトからの面談率が低下した際も、有効利用できます。面談数が減っても、アポイントの獲得率やクロージングの成功率が上がれば、費用対効果を維持できます。
メールマーケティングを支える仕組
「一斉送信されたメールの4通のうち1通は届かない」と言われています。残りの3通も、送りっぱなしでは芽が出ません。来店や問い合わせにつながることも、テレアポの機会が生まれることもないでしょう。
メールマーケティングを成功させるには、メルマガ等の一斉配信だけでなく、以下のような多彩な自動配信システムが必要です。
- ステップメール配信:複数のメールを段階的に、タイミングを設定して配信
- ABテスト配信:2パターンのメールを送り分け、反応率を比較
- セグメント配信:特定の条件に合致した人に、専用のメールを配信
- リターゲティング配信:約束の面談日前に送信するリマインドメールなど
さらに、精度を上げたり次のアクションのタイミングを計ったりするために、メールの到達率や開封率、CTR(メール内のリンク等のクリック率)などの効果測定をおこないます。
得られた測定結果は、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回す際にも役立ちます。目標の達成率を確認しながら、件名や文章を見直したり送信日時を変更したりして、施策の精度を効率的に高めていくのです。
このような施策を積み重ねていくことで、徐々にメールを使った追客が自動化されていくことでしょう。営業マンが接触すべき「今すぐ客」をみつけるのも容易になります。
【まとめ】メールマーケティングで不動産売買の追客を効率化するコツ
メールマーケティングは、大量のメールを配信し管理する必要があります。この配信と管理は、メールマーケティングに特化した「メール配信ツール」をご活用いただくとよいでしょう。
メール配信ツールを利用すると、多くの作業をオートメーション化できます。特化型なら「大がかりなマーケティングオートメーションは、やり切る自信がない」という方でも扱いやすいです。
これまで多くの方が、見込み顧客に効果的なアプローチができていなかったのではないでしょうか。メールマーケティングを活用して、フォローされてみてはいかがでしょうか。
もし、メールマーケティングにご興味を持たれましたら、以下からカンタンに資料をご請求いただけます。集客や追客の効率化に、ご活用ください。